R4ブランド戦略室コラム│第8回「まだ暑い9月に考える、理念浸透のリアル」

お世話になっております。株式会社R4です。
株式会社R4のブランド戦略室による
メールマガジン『人が集まる「ブランド思考」』を
お送りいたします。
企業に人が集まり、価値が伝わり、事業が育つ。
そのカギとなる「ブランディング」や「理念の力」について、
毎回さまざまな視点からお届けしてまいります。
人が集まる「ブランド思考」 第8回「まだ暑い9月に考える、理念浸透のリアル」
株式会社R4ブランド戦略室 室長 毛利大一郎
今年、初めて日傘を買いました。
最初は「本当に必要かな?」と半信半疑だったのですが、
使ってみると驚くほど快適で、今では手放せない存在になっています。
9月になりましたが、残暑が続いています。
「9月になったら少しは涼しくなるはず」と思っていたのに、
真夏のような暑さを感じる。そんな日々が続いているのではないでしょうか。
実は、インナーブランディングもこれに似ています。
「理念を発表した。社員の行動が変わるはず」と期待しても、
現実はそう簡単にはいきません。
気温が急に下がらないように、
社員の意識や行動も一気に変化するものではありません。
インナーブランディングは、一朝一夕に成果が出るものではありません。
人の意識や行動の変化には必ず「時間」が必要だからです。
社員が理念を理解し、共感・納得し、
日々の行動に結びつけるまでには4つの段階があります。
1)認知・理解する
理念の内容を知る。内容を理解する。
理念そのものの意義や必要性・効果を理解する。
2) 自分ゴト化する
理念に共感・納得する。
「会社が勝手に決めたこと(自分には関係ない)」ではなく
「自分の仕事や日々の行動に関係すること」と
捉えられるようになる。
3)行動・体現する
理念に則った仕事や立ち居振る舞いが
意識的・自律的にできるようになる。
4)企業文化になる
社内の誰もが、理念に則った仕事や立ち居振る舞いが
「当たり前のこととして」自然にできるようになる。
職場での会話や定例の会議などでも、
理念ワードが飛び交う状態が日常化する。
この流れを飛ばすことはできません。
残暑がなかなか終わらないように、
理念の浸透も「一気に進むものではない」のです。
例えば、いきなり「3)行動・体現する」のは難しく、
その前に「1)認知・理解」して「2) 自分ゴト化する」必要があります。
私がインナーブランディングを支援している
名古屋の物流会社様では、
まず、社内掲示用のポスターを作成し、
理念の内容を印象づける映像も制作されました。
さらには、社員一人ひとりのデスクに
理念入りのアクリルスタンドを設置。
こうした施策で全員が理念を理解したうえで、
次のステップである「自分ゴト化」に取り組むことで、
スムーズな社内浸透を実現しています。
インナーブランディングは長期戦です。
理念を掲げた直後にすぐ成果を求めるのではなく、
「時間をかけて育てるもの」と捉えることが成功の第一歩です。
暑さが続くと、
「いつまで続くのか」とため息も出てしまいますが、
確実に季節は変わります。
インナーブランディングも同じです。
段階的にコツコツと浸透施策を展開していけば
社員の意識や行動は少しずつ変わっていきます。
「なかなか効果が見えない」と感じても、
それは暑さが残る9月と同じ。
時間をかければ必ず変化は訪れるのです。
まだ暑さの続くこの時期、
変化がすぐに訪れないことに苛立つのではなく、
着実に未来への一歩を積み重ねていく。
そんな姿勢が、組織を強くしていきます。
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