R4ブランド戦略室コラム│第12回「ボジョレーヌーボーから考える、ブランドが文化になるプロセス。」

ブランディング

お世話になっております。株式会社R4です。
株式会社R4のブランド戦略室による
メールマガジン『人が集まる「ブランド思考」』を
お送りいたします。

企業に人が集まり、価値が伝わり、事業が育つ。
そのカギとなる「ブランディング」や「理念の力」について、
毎回さまざまな視点からお届けしてまいります。

人が集まる「ブランド思考」 第12回「ボジョレーヌーボーから考える、ブランドが文化になるプロセス。

株式会社R4ブランド戦略室 室長 毛利大一郎

毎年11月になると、我が家には小さな恒例行事があります。
妻と一緒にボジョレーヌーボーを飲むことです。
共にワイン通というわけではありませんが、この日だけは特別です。
グラスを傾けながら「今年の出来はどうだろう」と語り合う。
その何気ない時間が、私たち夫婦にとって大切な儀式になっています。

考えてみれば、この“ちょっとした習慣”こそが
ボジョレーヌーボーというブランドの力なのだと思います。
単なるワインではなく「季節を感じる文化」として
私たちの日常に溶け込んでいます。

商品そのもの以上に
「この時期になると飲みたくなる」「誰かと乾杯したくなる」
という感情を呼び起こす存在。
それはまさにブランドが生活に根づいた状態と言えます。

ボジョレーヌーボーは、フランス・ボジョレー地区で
その年に収穫されたブドウから造られる新酒です。
「その年の実りを祝う」という明確なコンセプトのもと、
毎年11月第3木曜日に世界同時解禁されます。

つまり、このワインには明確な“ストーリー”があり、
それこそがブランド価値の核になっています。
「今年も無事に収穫できたことへの感謝」「新しい季節の始まりを祝う喜び」。
そうした想いが一本のボトルに込められているからこそ、
人々は毎年その日を待ち望むのです。

企業のブランディングにも、“物語”の力は欠かせません。
理念やビジョンは、美しい言葉で掲げるだけでは心に残りません。
その背景に「どんな想いから生まれたのか」「何を大切にしているのか」
というストーリーがあることで、
社員も消費者・顧客も共感できるようになります。
ブランドとは単なるロゴやスローガンではなく「人々が共有する物語」です。

もう一つ注目すべきなのは、ボジョレーヌーボーには
“解禁日”という強力な仕掛けがあることです。
この日を境に世界中でイベントが開かれ、人々は自然とその文化に参加します。
同じ日に同じ体験を共有することで「またこの季節が来た」と感じる。
その繰り返しによって、ブランドは人々の記憶の中で確かな位置を占めていきます。

企業のブランディングにも同じ構造があります。
理念やビジョンを浸透させるには、
「定期的に立ち返る場」を設けることが効果的です。
年度初めや創業記念日に理念を振り返ったり、
社員が集まる場で経営者自ら原点を語ったりすることで、
理念と向き合う機会を創出するのです。

それを続けていくうちに、理念は単なる言葉ではなく、
社内文化として息づいていきます。
ブランドとは、一度つくって終わりではありません。
繰り返し触れられる仕組みがあってこそ記憶され、やがて文化となります。

ボジョレーヌーボーは、その好例と言えるでしょう。
……と、今年はそんなことに思いを馳せながら
ボジョレーヌーボーを味わいたいと思います。

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