岐阜日野自動車株式会社 様|経営者・人事インタビュー

数ある採用支援会社の中から、なぜR4が選ばれるのか。その理由を、企業の人事・採用ご担当者様へのインタビューを通じて明らかにしていくシリーズです。今回のゲストは、『カンガルー便』で知られる物流企業・西濃運輸株式会社のグループ会社であり、セイノーホールディングスの一員でもあるトラック専門の自動車ディーラー、岐阜日野自動車株式会社の執行役員 総務部長・後藤 徹様です。超・採用難職種と言われる自動車整備スタッフの安定採用に向けて、同社はどのような取り組みをおこなってきたのか。そして、定着率改善に大きく貢献した驚くほどアナログな人事手法とは――。採用・人事領域の仕事に対する熱い想いと、同社とR4が歩んできた “二人三脚” の道のりにも触れながら語って頂きました。

インタビュアー/R4サービスサイト編集部 専属ライター

企業について

法人名:岐阜日野自動車株式会社
本社:岐阜県安八郡
従業員数:351名 (2022年7月 時点)
公式Webサイト:https://www.gifuhino.co.jp

セイノーグループ全体を解ってくれている、心強い味方です

地元採用をするなら、地元を知る会社と

――R4との取引はもう10年以上になるとのことですが、最初の接点についてはご記憶でいらっしゃいますか?

今の営業担当さんが、飛び込みで来てくれたのが最初だったと思います。当時既にセイノーグループ内の企業の採用支援をしていたということで、その流れで弊社にも足を運んでくださったようでした。

――営業担当と会話されて、印象的だったこと等はおありでしょうか?

まず思ったのは、採用支援の会社で、岐阜県内に支社を置いているのが珍しいなと。うちの社員は昔から地元出身者が多いので、岐阜エリアのことをよく知っている会社なら頼れそうだなと思いました。

それからこれは個人的な話ですが、営業担当さんがたまたま、僕が通っていた高校の後輩だったんですよね。

――そうだったんですか!R4も御社と同じで、地元出身者が多い会社ですが、思わぬご縁でしたね。

しかも、部活まで一緒だったみたいです。あの場所で白球を追った仲間と知って、一気に親近感が湧きました。

コロナの影響でリモート商談が普及してからは、全国各地の求人広告の会社から引き合いを頂きますが、僕らのやりたい「地元採用」を遠方の会社さんが十分理解してくれるかと言ったら、やはり少し不安が残るものです。その点、R4さんは “この地域の人” の感覚を知っている採用のプロですから、安心感が違いました。

――地元の人間だからこそ共有できる感覚って、きっとありますよね。話が早いのはやっぱり、地元密着型の採用支援会社なのかなと感じます。

そうなんですよね。それから、最初にお会いした時に頂いた名刺がすごくインパクトのあるものだったんですよ。今もそうなのかな?縦型で、表には名前と、意気込みしか書かれていない名刺だった気がします。

――名刺のデザインは長年変わっていないそうなので、同じだと思いますよ。表側がシンプルなのは、「社名や肩書じゃなく、自分の名前と、提供できる価値で勝負できるようになってほしい」という、R4創業者の意向(※)があってのことだと聞いています。意気込みの言葉も、一人ひとり違うみたいですよ。

(※ 名刺についての詳細は、こちらの記事もご参照ください https://www.wantedly.com/companies/company_2630646/post_articles/339595

そんな背景があるんですね。今ではR4さんと聞くと、あの名刺が浮かびます。一人ひとりの意気込みが書かれているとは…ほかの社員さんの名刺も見てみたくなりますね。

物流を支えるのがトラック整備士。欠員は許されません

――ところで、お取引が始まった時点では、そこまで採用にお困りではなかったと聞いておりますが…。

そうですね。当時は、採用活動に対して特別な予算を充てるという考えがあまり無かったんです。弊社の場合、新卒採用は自社の野球部(軟式野球チーム)や、スキー部が有名なおかげで、OBからの紹介や社会人アスリートを目指す学生さんが集まり、早期に充足することがほとんどです。

そのため、注力先は中途採用の領域になるんですが、こちらも募集をおこなうのは営業・メカニック(自動車整備スタッフ)に欠員が出た時くらい。合わせて年間数名程度でしたし、『セイノーグループ』『日野自動車』というブランドと知名度もあって、特に広告を出さなくても自然と志望者が集まっていた会社でした。

――日本中の採用担当者さんが羨みそうな環境ですね。

ところがある時を境に、パタッと応募が来なくなったんです。特にメカニックですね。ちょうど全国各地で、整備士不足が叫ばれるようになっていた頃でした。これは困ったということで、R4の営業担当さんに相談したんです。

――そうだったんですね。素朴な疑問なんですが、メカニックさんに1~2名欠員が出るというのは、ビジネス上どのくらいのインパクトが生じるのでしょうか?例えば、御社は現状150名以上のメカニックさんを抱えていらっしゃいますから、その中のベテランさんに少し無理をお願いすれば、現場は回りそうな気もします。

ごく限られた期間であれば回るかもしれませんが、その状態が続くと、多くのリスクが生じてきます。

弊社の使命は、お客様から預かったトラックの修理や車検を、事前に約束したスケジュール通りに完了させ、同社へ戻すことです。トラックは一般乗用車とは違い、車検を1年に1回、毎年受けなければいけません。加えて、トラックは基本的に全て特別仕様です。代車というものが存在しないため、長期間はお預かりできず、また預かった車両の返却が遅れれば、ドライバーさん1人分の物流を止めることになるんです。

――なるほど…。それは損害額も大きいですし、系列会社とはいえ信用問題にも繋がりますよね。

しかも弊社は元々、西濃運輸の整備部門の事業を引き受ける形で大きくなった会社です。自ら「お任せください」と言っておいて「できません」なんて事態になっては、会社の存在意義にも関わってきます。だからこそ、メカニックの採用充足は重要なテーマなんです。

R4は、協力会社まで支えてくれるパートナー

――そんなメカニックさんの人材確保に向けて、御社ではどのような取り組みをおこなわれたのでしょうか?

大きく分けて2つの挑戦をおこないました。1つは求人広告出稿・採用サイト制作による新規採用促進、もう1つは離職率の改善です。

求人広告の出稿は、『リクナビNEXT』と『Indeed(インディード)』を利用しました。『Indeed』は従来、他代理店さんにお任せしていたんです。R4さんが取り扱っていることを知らなかったもので…。でも、いつもの営業担当さんが見てくださるなら、その方が安心だと思って切り換えました。

代理店の切り換えと同時に、掲載手法も変えました。R4の営業担当さんがセイノーグループへ提案してくださって導入に至った、ATSの『リクオプ(※)』に相乗りする形へスイッチしたんです。使い勝手も良いですし、募集への反響も大きくなりましたね。導入から3年ほど経ちますが、この間に何十人も採用できています。

(※ HRソリューションズ株式会社が提供する採用管理システム。R4が販売代理店を担っている)

――それは何よりです。系列会社様も含めてお取引のある、R4だからこそご提案できた手法でしたね。

バブル期入社組の定年が近づいていた当時、若年層の採用は悲願でしたから、助かりました。せっかくなら…ということで一緒に掲載をお願いした、『大型車の回送ドライバー』の募集についても、無事採用に至っています。

――何とか、窮地は脱されたんでしょうか?

ありがたいことに、一旦は落ち着きました。応募が来なくなった当時は焦りましたが、今となっては、自分たちが如何に『セイノーグループ』『日野自動車』の名前を頼って、 “殿様商売” をしていたかに気付く良い機会だったのかなとも感じています。お恥ずかしい限りです。

採用活動を積極的にするようになって、営業担当さんとの打合せ機会も増えましたが、セイノーグループ各社の動きや学生さんの就活の進捗状況、同業他社さんの動向といった情報をリアルタイムで共有してもらえるのも助かっています。

――営業担当本人も、「ご期待は絶対に裏切りたくないから」と話しておりました。

熱い男ですよね。彼に限らず、R4さんはそういう方が多いんですかね。広告の運用担当さんも、こまめに状況を報告してくださいますし。皆さん仕事熱心だと思いますよ。

実はね、R4さんとのお付き合いが始まってからも、何度かほかの代理店さんを試したんですよ。上司の意向もあったりして、営業担当さんに「今回はゴメンね!」なんて言いながら。でも、結局は “元サヤ” 。それどころか、最近はうちの協力会社さんの募集まで相談しています。僕らのことを一番分かってくれているのはR4の営業担当さんだから、これがベストな選択なんだと思います。

――そんなご評価もあって、パッケージ型商品『集 -shu- 』を活用した採用サイト(※)の制作もご依頼頂いたんですね。

就職活動のオンライン化が急速に進み、スマートフォン対応の採用サイトを持たれる同業他社さんが増えていたので、前々から「うちも何とかしなくては…」と考えてはいたんです。それに、都度制作し出稿する求人広告だけではなく、汎用性が高くて、web上の資産として長期的に残るリッチなコンテンツを整えておきたいという思いもあり、会社に稟議を上げてお願いしました。

プランニングも撮影も、まるっとR4さんにお任せでしたね。うちの会社のことは十分解ってくれていますから、基本仕様にプラスしてほしい機能の追加だけはお願いして、「あとは全部、いい具合にしてください」と。かっこよく仕上がりましたし、こちらでの作業も少なく済みましたし、満足しています。

R4オリジナルのサイト制作パッケージ 『集 -shu- 』https://service.r-4.co.jp/service/recruitingsite-shu/

社員数350名。全員の顔と名前が判ります

――広告出稿に加えて、離職率の改善にも取り組まれたとのことでしたが、こちらはどのような手法を取られたのでしょうか?

こちらはシンプルな話で、社員との個人面談の仕方を見直したんです。面談自体は15年ほど前からおこなっていましたが、そのやり方を大きく見直したのが7年前ですね、今は最低年1回、人によっては年2回、人事担当者の僕が全社員と顔を合わせて話しています。

――後藤様お一人で、すべての従業員の方と…ですか?

そうですね。毎年話していますから、今はもう350人全員、顔と名前が一致します。こういうやり方にさせてほしいと、僕自身が会社に相談したんですよ。

――それは、何がきっかけだったんでしょう?1人10分の面談だとしても、350名いらっしゃれば、一巡するのに60時間近く掛かる大仕事ですが…。

岐阜日野自動車を、もっと人を大事にする組織にしたいと、ずっと前から思っていたんですよ。

僕が初めて人事や採用に関わったのが、今から30年前。入社して間もない頃です。当時はバブルの真っ只中で、年間40名くらいを採用していたんですが、入職も多ければ離職も多い時代でした。そういう時期が続くと、現場も人の入れ替わりの激しさに慣れてしまうんですよ。「辞めたきゃどうぞ」「どうせまた新人が来るだろう」という発想が生まれ、一部ではそれが染みついてしまって、一人ひとりが大切にされない時期があったんです。

まさに、 “殿様商売” でした。自分が採用に携わった仲間も次々に辞めていき、人事担当として、つらい時代でしたね。もっとできることがあったんじゃないかと、自責の念に駆られる場面も多かったです。

――そんな時代がおありだったとは…。今のような手厚いフォロー体制に至ったのは、何がきっかけだったんでしょう?

一番大きかったのは、「共に働く仲間を大事にしたい」という想いの強い、社長の影響でしょうか。人事担当として共感できる部分が多い人で、僕個人の思い切った提案も受け入れてもらえました。

――そうした背景から生まれた試みなんですね。ちなみにその個人面談では、どんなお話をされていらっしゃるのでしょう?差し支えない範囲でお伺いできればと思いますが。

従業員がいま困っていること、気掛かりなことを教えてもらっています。担当業務で上手くいかない部分とか、配属先の人間関係、家庭の事情…思うままに何でも話してもらって、気になることがあれば、ちょっと深く聞いていくという感じです。

例えば、「最近、奥さんとケンカが絶えない」という悩みに対して、僕ができることは少ないかもしれません。でも、もしそのケンカの原因の一つが、同居する親御さんの介護施設への送り迎えをどちらが担うか…というものだったら、決まった時間に退勤できる部署への異動を提案すると思います。もちろん社内での調整を経ての話にはなりますので、全てのリクエストには応えられないこともありますが、できる限りは動きますね。

新入社員から「配属が決まって同期と離れるのが心細い」という声が上がってきた時は、励まし合って学んだ日々を忘れないよう、若手を集めて旅行に出掛けたりもしました。テーマパークで思いっきり遊んで楽しい記憶を作ってもらう…という、純粋に、思い出と関係性を作るための研修旅行でしたね。トラックの会社なのに、車に関する勉強は一切ありませんでした。

――心の支えとなる思い出ができたでしょうね!そこまで親身になってくださる人事担当者さんがいらっしゃれば、「ここで働き続けたい」と思ってもらえるのも納得です。

今の形での面談を始めて、離職率はぐっと下がったんです。退職者もゼロではありませんが、不満を抱いての退職ではなく、卒業という形が中心になってきましたね。というのも、この辺りは家業が運送関連という方が多いんです。うちの会社での修業を経て、ご実家を継がれるケースが一定数ありまして…。そんな離職であれば、寂しさをぐっと堪えて、笑顔で送り出してあげたいですよね。

選んでくれたすべての人が、活躍できる職場に

――メカニック(自動車整備スタッフ)は今、地域を問わず採用難職種であると言われています。今後の日本におけるメカニックの採用について、後藤様はどのような見通しをお持ちでいらっしゃいますか?

メカニックの採用が難しい時代であるということは、私も肌で感じています。整備士を育成するための専門学校は今、学生数がどんどん減っている上に、日本人の生徒ばかりではなくなっているんです。自動車整備士資格を取得すると、日本での在留資格が得られるものですから、外国人生徒が増えているんですよ。ですから今後は業界全体として、海外出身の人材の採用・定着に向けた打ち手が必要になるのではと思っています。

――御社でも既に、海外出身のメカニックさんが活躍されているのでしょうか?

そうですね。ベトナム・フィリピン・スリランカ・ネパール・マレーシア・中国…。本当に国際色豊かな会社になりました。今は、どんなルーツをお持ちの方が入社されても活躍できる仕組みや、環境づくりについて検討しています。そういった工夫が、職場として選ばれるためのカギになると考えています。

――なるほど。それでは後藤様が今後、R4に求めることは何でしょうか?

引き続きこの距離感で、情報提供を頂ければ嬉しいです。R4の営業担当さんは、セイノーグループのことを本当によく理解してくださっています。会社の判断軸や決裁者の好みまで考えながら、本当に必要なものを教えてくださいますし、うちの会社に合わないような的外れな提案はありません。

採用関連の業務は現状、僕ひとりで賄っています。最近は後任を育てる観点から、一部業務は若手社員と分業していますが、採用関連のニュースを追える程の余裕はまだ無いもので、ちょっとした共有でも十分ありがたいんです。

――後藤様が担われているお仕事は、量も密度も大変なものですよね…。正直なところ、つらいと感じられる瞬間もおありではないですか?

それはやっぱり、ありますよ。個人面談などはまさにその例です。毎日声を掛けている仲間が、仕事姿からは想像できない苦しみを抱えていたと知った時は、受け止めるのに時間を要することもあります。

でも、その都度きちんと向き合って個々の環境を整えてあげれば、大概はいい結果が待っているんです。面談と社内調整を経て、すごくいい顔で出社してくるようになった社員もいます。そういう姿を見るとやっぱり、一人ひとりと向き合うことって大事だな、面談をやっていて良かったなと感じるんですよね。

――後藤様にとって、人事のお仕事は天職なのかもしれませんね。

そうであれば嬉しいですね。岐阜日野自動車を職場に選んでくれた仲間が、ここで幸せになれるよう、引き続き僕にできることを探していきたいと思います。


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