東海協和株式会社 様|経営者・人事インタビュー
数ある採用支援会社の中から、なぜR4が選ばれるのか。その理由を、企業の人事・採用ご担当者様へのインタビューを通じて明らかにしていくシリーズです。今回のゲストは、名古屋港を拠点に港湾荷役業務および国内外への物流サービスを展開する、東海協和株式会社の管理部 副部長・稲熊 一路(かずみち)様。港湾労働というハードな職種領域で働き手を確保するために、同社はどのような戦略を実施してきたのか。そして、港湾荷役業界は今後どう変化していくのか。そんなお話を「ちょっと暑苦しいけれど、理解者でいてくれる採用パートナー」という、R4との関係性を交えて語って頂きました。
インタビュアー/R4サービスサイト編集部 専属ライター
企業について
法人名:東海協和株式会社
本社:愛知県名古屋市
従業員数:304名 (2022年7月 時点)
公式Webサイト:https://www.tokai-kyowa.co.jp
僕らを深く理解してくれる。だから信頼できるんです
「あのクレーン、登ってみてもいいですか?」
――R4とはもう、20年近く取引があるそうですね。
そうですね、R4さんの創業以来ずっとじゃないでしょうか。
――取引が始まった頃のご記憶など、何か残っていらっしゃいますか?
うーん…決して悪い意味ではないんですが、暑苦しい会社が誕生したもんだなと。当時頂いた会社案内は確か、表紙に大きく『日本一の顧客志向』と書いてあって…インパクトはありましたよね。エネルギッシュな感じはすごく伝わってきました。
――その冊子、私も見たことあります。和紙のような紙質に「義理堅く」とか、「決して期待を裏切りません」とか、そういう熱い決意がずらっと書いてあったような…。
それですね!やっぱりちょっと、熱すぎると感じる内容ですよね。でもR4さんは実際、バイタリティのある方が多いと思いますよ。営業担当さんも制作担当さんも、うちの仕事を理解しようと一所懸命になってくれます。
例えば、以前取材に来られた際もそうでしたね。弊社のヤード(輸送用コンテナが積まれている、港湾荷役の作業現場)をご案内した際、「実際の仕事環境を伝えるために、現場作業員が乗るガントリークレーン(門型構造の大型クレーン)の高さを実感したい」との申し出がありましたので、その操縦席まで上がって頂きました。地上15mくらいの高さで、床から地上が透けて見えることもあり、不慣れな方には相当怖い場所だったと思います。案の定、足を震わせながら降りていらっしゃって…。でも、そのくらい本気で企業や仕事に向き合うところは、R4の皆さんに共通する “熱さ” かなと思います。
思い切って採用した新卒者は、今や現場の主力
――採用活動に関して、ご記憶に残っていらっしゃることはおありですか?
それはもちろん。苦労も喜びも、R4さんと一緒に味わってきましたからね。
大変だったのは、お付き合いが始まって1~2年経った頃の中途採用でしょうか。昔話になって恐縮ですが、当時この辺りは『愛・地球博(愛知万博)』の開催を控えていて、現場の人手が万博会場に集中していたという背景もありました。だから、元々採用難だった僕たちみたいな現場の仕事は、超・採用難に。体感的には愛知県内だけ、求人倍率が他県の3倍くらいあった気がします。そんな中でしたから、求人広告を出すにも「どういう伝え方がいいんだろうね」って、営業担当さんと一緒に悩んだ記憶があります。
――確かにあの時代は、ちょっと異様な景気でしたね。現場作業員さんの採用をされている企業様は、悩まれる部分が多かったかと思います。
ただ、そういう現実にぶつかったこともあって、それまで見合わせていた新卒採用の再開に向けて舵を切れたことは良い変化でした。
――新卒採用をされていない時期がおありだったんですね。
そうなんです。ある程度メンバーが揃ってきていたので、積極的にはしていませんでした。欠員があった際に都度、中途採用をする程度でしたね。ただ、徐々に社員の年代層が変わってきて、このままでいいのかなと。計画的な採用活動をやっていかないと、会社の発展に繋がらないのでは…という声が、管理職クラスから上がってくるようになったんです。
――それで、新卒採用を再開されたと。
その通りです。結果としては、あの時決断して正解だったと思います。新卒で入社してくれた社員の中には、今や主任となって、現場の中心に立っている者も居ます。彼はあと数年もすれば、課長級へ上がるでしょうね。未経験から港の仕事へ入った人材が、名古屋港の物流を回すまでになる。見ていて嬉しい成長ぶりですし、感慨深いです。
新任の人事担当まで、鍛えてもらいました
――R4との取引がこれだけ長く、途切れずに続いているというのは、どんな背景があってのことだったんでしょう?
「R4さんに聞けば何とかなる」という認識が今日まで続いているから、というのはあると思います。
僕は採用の実務を一度離れていたんですが、その間に着任した2名の担当者は、いずれも人事関連業務の経験がありませんでした。それに先ほどもお話ししました通り、弊社は計画的な採用活動を実施できていた訳ではないので、採用ノウハウを蓄えられていなかったんです。そんな状態での異動や着任でしたから、「困ったときはR4さんに聞けば何とかなるから」という引継ぎが続いていて…。
――R4の営業担当の知識を、存分に活用されていたんですね。
一から十まで聞きながら、見よう見まねで進めている状態でした。学生さんが知りたがっている情報は何かとか、会社説明会当日はどんなふうに話せば飽きずに聞いてもらえるかとか…そういう細かい質問にも、一つ一つ具体的なアドバイスをもらえたのが助かりました。
今にして思えば、頼りすぎていたかもしれません。ただ、当時はまだ新卒採用に注力し始めたばかりで、社内での予算確保も難しく、資料制作を外注することもできませんでした。加えて、実務を手伝ってくれるメンバーがほかに居ないという状況でしたから、営業担当さんの存在が頼りでした。
――人事さんは孤独なものだと、聞いたことがあります。R4は、求人広告専門の会社ではなく、採用支援サービス全般に対応しているので、そういう意味でも御社の採用パートナーとして適していたのかもしれませんね。
本当に、色々と助けてもらっています。大学訪問の仕方も教わりましたし、うちの新入社員向け研修では、無理を言って “講師” として登壇して頂いたこともありましたし…。
R4さんと大学とのタイアップ企画、『キャリア支援講座 (※) 』に登壇させて頂いたのも、いい経験になりました。学生さんとのコミュニケーションって、結局は場数を踏まないと上達しない部分があると思っています。なので独自の企画をお持ちのR4さんと一緒に走ることで、鍛えてもらっているなという実感があります。
(※ 大学の講義の一環として、地元企業の採用担当者が自社の事業や働き方を紹介しながら、学生からの質問にパネルディスカッション形式で回答するもの)
――営業担当だけでなく、R4全体をフル活用してくださっているんですね。
先日は、自社の魅力を学生に語れるようになるためのワークショップ(※)にも参加させてもらいましたしね。それに営業担当さんからはもちろんですが、R4発のメルマガなんかを通じても、ちょくちょく情報共有を頂いています。採用に関する幅広い知識・新しい情報を知ることができますし、市場の変化にも敏感になれています。
(※ 『自社PR力』UP研修 https://service.r-4.co.jp/seminar/recruit/recruiting-pr-training/ )
「港の仕事を知るなら、東海協和のインターンシップ」
――ここ2~3年の間に、新卒採用のインターンシップをブラッシュアップされたとのことですが、これはコロナの影響もあってのことでしょうか?
そうですね。コロナ前は現場見学をおこなっていて、海の広さやクレーンの大きさなど、仕事と職場のダイナミズムに魅力を感じてくださる学生さんが多かったんです。でも、それは現場に集まるからこそ伝えられた要素で、オンライン開催となると難しい。そこで抜本的に、インターンのコンテンツを見直そうと決断しました。
…と言っても、これもR4さんにお任せだったんですけどね。その際は、インターンの設計に詳しいR4のクリエイターさんが担当してくださったんですが、当社のビジネスや現場での仕事のことを理解しようと、打ち合わせの中でたくさん会話をしてくださったのが嬉しかったです。本当に何度も何度もすり合わせをした上で、弊社のことを深く理解し、企画・立案してくださったんです。
――最終的には、実際の仕事内容に近い作業を体験するような内容にされたんですよね?
ええ。貨物船上での荷役作業プランを、具体的に考えるというものでした。どのコンテナを、どの順で、どこから積んでいくのが、効率的かつ安全かを個別に検討してもらいました。
――そういった “考える系” のプログラムは、一人でじっくり取り組む時間の取れるオンライン開催とも相性が良さそうですね。学生さんからの反応はいかがでしたか?
とても良かったですね!面接に進んでくださった学生さんからも、「インターンが面白くて、会社に興味を持ちました」という声が増えてきました。この評判が下の学年の方にも届いているのか、最近は「このエリアで港の仕事を考えているなら、東海協和のインターンに行くといいぞ」という噂を聞いて、参加希望を寄せてくださる学生さんも居るほどです。
――競合他社さんとの差別化という視点から考えても、理想的な展開ですね。
名古屋港に拠点を置く港湾荷役会社で、ここまで詳しく仕事を体験できるのはうちくらいではないかと自負しています。弊社はいわゆる業界最大手ではない分、採用においても、他社に先んじた取り組みをしていかないといけませんしね。
――御社全体として、 “採用力” がすごく伸びていらっしゃるのではないでしょうか。
そうであれば喜ばしいことですね。でも、元々のノウハウが足りなかったことを考えると、ようやく世間一般の企業並みになってきたくらいなんじゃないかと、個人的には感じています。学生さんの就活スケジュールだって、最近は毎年のように解禁のタイミングが変わっていきます。時代に追いつくため、少なくとも乗り遅れないためには、うちの事業や仕事を深く理解してくれている採用パートナーさんの存在は不可欠ですね。実際に弊社は現在、年間3~5人の新卒採用を目指していますが、この人数を採り切ろうと思うと、自社のマンパワーやノウハウだけでは相当難しいと感じていますから。
「こういう業界だから」と、歩みを止めてはいられない
――先ほど「他社に先んじた取り組み」というお話が出ましたが、御社は求人検索サイト『Indeed(インディード)』への掲載も、相当早い段階で始められたんですよね。
そうですね。港の仕事って元々、折込チラシや求人誌を含めた紙媒体や、ハローワークの経由の応募が多いとは言われていて、ウェブ広告にはそれほど投資していなかったんです。ただ、スマホも普及して随分経ちますし、R4さんに勧められたこともあって、まずはやってみようと。そうしたら物珍しさからなのか、かなり応募が集まりました。
『Indeed』への掲載も、最近はメジャーな採用手法になってきましたよね。掲載案件数も日に日に増えていますし、見せ方・伝え方はもう一段テコ入れをしていかなければ…と、ちょうどR4さんと相談しているところです。継続的に表現を変えながら効果測定ができるというのは、この手法の面白さだなと。極める甲斐があるとも言えるかもしれません。
――「コロナ明け」とも言われる最近は、買い手市場感が一層強まっていますしね。
これだけ仕事が選べる世の中で、弊社やその仕事に魅力を感じてもらうためには、引き続きチャレンジが必要かなと考えています。仕事を選ぶのはあくまで求職者の皆さんで、我々は選ばれる存在にならなければいけません。そのために将来的には、採用ブランディングの実施なども考えていけたらなと。
――更に高度な手法に挑戦されるんですね。
港湾業界って、どちらかというと安定性の高い業界だと思うんです。ただその分、保守的になりがちだとも感じていて、そういう慣習に流されないようにはしたいですね。より採用ターゲットに近い人へ届く取り組みは無いかと、常に考え続けることが必要だと思っています。
港の仕事は過酷。その分、少しでも働きやすく
――採用活動に関しまして、御社の中で設定されているゴールや目標はおありでしょうか?
それがですね…事業特性上、採用のゴールというものを設定するのが非常に難しくて、いつも悩ましく思っているんです。
僕たちの仕事は、毎日到着する船の荷役を、毎日すべて終わらせることです。それを達成できないと、地域の物流や経済が止まりますからね。「人が居ないからできません」なんてことにならないよう、最少人数はある程度決まっているんですが、 “最適人員数” については模索を続けている…というのが正直なところです。
――人数という点では、明確な採用目標の設定が難しそうですね。
そうですね。ですが最近、会社として重視したい指標も、改めて定めました。それが定着率です。
港の仕事は、過酷な面がたくさんあるんです。元日以外は基本的に毎日、貨物船の入港予定がありますし、ちょっとくらいの雨風では休みになりません。だからこそ、収入は比較的良い方かと思いますが、様々な理由から仕事を続けられなくなる方も残念ながらいらっしゃいます。
その理由が家庭の事情等であれば、僕らにはどうにもなりません。でも、現場での人間関係や待遇といった要因による離職であれば、防げます。ですから今後は、そういった部分の改善にも注力していきたいと考えています。
採用は、会社の未来を変えるアクション
――最後に、今後の港湾荷役業界の見通しと、御社の展望についてお伺いできますでしょうか。
まず、国を跨いだモノの行き来は年々増加が見られ、この傾向は今後も当面続くと思われます。個人においてはインターネットショッピングの普及、企業においては「世界最適調達」の加速と、どちらの領域でも物流の総量は増えていますからね。
そして国内では少子高齢化がさらに進み、働き手は減っていきます。物量の増加と労働人口の減少という、二重苦のようにも感じられる状況が続きますが、人が集まり定着する会社になれば、逆にビジネスチャンスにもなり得ると考えています。
――なるほど。人の採用・定着が、今後の御社の成長に直結していく…と。
まさに、その通りです。実際に弊社でも高いスキルをもつ方が仲間に加わっていただき、売上が急激に伸びた部門があります。その社員は化学知識に非常に長けていて、彼の入社によって、特殊品の輸送に関わる業務も請け負えるようになったんですよ。
――それは大きいですね!
運ぶ需要って本当に幾らでもあるんだなと、実感できた体験でした。社員数だけを見ればたった1人の増員ですが、その1人と出会えたことで、弊社のビジネス全体が変わろうとしています。採用ってそのくらい、大きな可能性を秘めているアクションなんですよ。
――だからこそ、採用パートナーであるR4の責任も重大と。
そうですよ!まだまだ繋いでほしいご縁が、たくさんありますから。これからも、一緒に走り続けてもらえたらと思っています。