新入社員受入れ準備 メンター選定のコツ

2024年1月。皆様、そろそろ新入社員の受入れ準備を開始される時期ではないでしょうか。

とてつもない時間とパワー、費用をかけて採用した新入社員。職場や仕事に早く慣れ、イキイキと活躍してもらえるよう、メンター制度を導入する企業様が増えました。
ところが、ふたを開けてみると新入社員と先輩社員の気が合わなくて逆効果。間に入るのにクタクタだよ…という人事の皆様の相談を頂くことも少なくありません。

そこで今回は、ひとさじの手間でメンター制度の効果を上げるコツをご紹介したいと思います。

メンター制度とは

メンター制度とは、直属の上司や先輩ではない、他部署の先輩社員が、新入社員の良き話し相手として定期的に面談を行い、話を聴く制度のことです。

新入社員の質問に答えたり、時にアドバイスをしたりしながら、業務上の不安や悩みの解消を図り、仕事へのモチベーションを高めていくことが目的です。先輩社員のことをメンターと呼び、新入社員のことをメンティーと呼びます。

直属の上司・先輩ではない、他部署の先輩というところがミソ。担当業務についてではなく、会社・職場・制度・風土など誰に聞いて良いか分からない質問や相談、日常生活などを気軽に雑談できる関係を作ることがメンター制度のポイントです。入社後半年~1年間くらいの期間で実施している企業が多いようです。

メンター制度を活用するメリット

メンター制度にはどのようなメリットがあるのか? 代表的なものをご紹介します。

新人の早期離職を防ぐことができる

若手社員の離職率は「七・五・三」のキーワードでよく語られます。これはせっかく就職した企業を入社後3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が退職してしまうことをさしており、若手社員の定着はどの企業にとっても重要な課題になっています。

入社後間もない新入社員は不安がいっぱいであることは皆様のご想像通りです。日常の不安や質問を気軽に話せるメンターがいることは精神的な安心感につながり、早期離職を防ぐことに大変効果的です。

先輩のモチベーションアップにつながる

新卒採用のリクルーターをすることで、会社や仕事へのモチベーションが自然に高まるということは広く知られています。それと同じく、メンターになることで、先輩社員は自分の新人時代を思い出したり、成長のプロセスを整理することができます。また新人の活躍を支援したい、役に立ちたいという気持ちが湧き、モチベーションアップも期待できます。

そして新人の話を聞くことで、自然に後輩指導や育成への関心が高まり、メンターという役割を通して、先輩社員自身の成長にもつながっていきます。

タテヨコナナメの関係を強化できる

家に例えると、柱がタテ、桁がヨコ、筋交いがナナメ。

柱(タテ)と桁(ヨコ)の関係が基本になるのですが、筋交い(ナナメ)があることで、家の強度が増して安定していくことはご存知の通り。職場の人間関係も同じです。直属の上司・先輩がタテ、同期がヨコ。ここに自然にナナメの関係ができていくことが理想ですが、テレワークや働き方の変化などを通して、ナナメの関係が作りづらくなっていることは間違いありません。

特に新入社員が自力でナナメの関係を作ることは難しく、誰にも相談できないという気持ちで退職をしてしまうケースも後を絶ちません。そんなことを防ぐことができるナナメの関係がメンター制度になります。

メンター制度のよくある失敗事例

しかし、せっかく導入をしたもののうまく行かない。人事の方の手間ばかり増えてしまい、メンター制度をやめるという声も耳にします。そこで、主な失敗事例と対策をご紹介します。

新人と先輩の相性が悪い

これが一番多いパターンでしょう。この相性の悪さが起きてしまう原因は、新人に合わせてメンターを設定するのではなく、先にメンターの先輩社員を決めて、そこに新入社員を当てはめていることです。上述の通り、メンターという役割を通して先輩社員の成長が期待できます。
3-4年目の社員に中堅社員の自覚を高めたいという目的で、先にメンターを決めるという企業様の気持ちはとてもよく分かります。しかし、それでは主役はメンターになってしまいます。

実際に、先輩育成目的で「先にメンターを決めて新入社員を当てはめる」という流れでメンター制度を運用していた企業様の事例をご紹介します。

この企業様では、このような問題を解決するために、FFSというマネジメントツールを活用し、まず新入社員の個性を可視化した上で、新入社員に合わせて先輩社員を設定することになりました。その結果、後輩社員の退職希望が撤回され、現在も活躍しています。

入社半年~1年間は、個性が似たメンターがいることで、新入社員は安心感や親しみを覚え、相談をしやすくなります。同様にメンターも新入社員の悩みを肌で理解しやすく、相談に乗りやすいということが分かっています。

この企業様ではこのやり方を始めて以降、新人と先輩の相性が悪いという問題は一切なくなりました。FFSの導入はメンター制度でお悩みの企業様にとてもお勧めの方法です。

先輩が何をして良いか分からず、名ばかりの制度になってしまう

メンターになってほしいと頼まれ、やる気満々に4月を迎えたものの、実際には何をやったら良いのかわからない。結局半年間で1回昼食を食べに行っただけです…。といったような先輩の声を耳にすることも多いです。同様に新入社員からも、メンターと言われてもオフィスも違うし顔を合わせる機会もなく、何を話して良いかもわからないです。という声が多く聞かれます。
一例ですが、うまく機能している企業様での実施例をご紹介します。

うまく機能している企業様での実施例

① メンターに何をやってほしいかの説明会の実施
● メンターへの期待、基本姿勢 
● 新入社員の個性の紹介と関わり方のポイント共有 
● 具体的にメンターにやってほしいこと
  ・期間 ・1か月に1回は面談をしてほしい ・飲食をする場合の費用負担 
  ・面談についての勤務時間の扱い ・面談結果の報告の仕方 など

② 4月にメンターと新入社員の顔合わせの場の設定(できればランチ会などで時間を取る)

③ メンターへの定期的な声掛け、面談報告があった際のお礼の声掛け

④ メンター終了時のお礼、感想や次年度に向けて意見をもらう場の設定

まとめ

お読みくださり、ありがとうございます。

新入社員の早期離職防止、定着・活躍の重要性は誰もが分かっているのですが、1-4月は次年度新卒採用をはじめ、決算・人事異動など人事の皆様が大変多忙な時期。新入社員受入れ準備がどうしても後回しになってしまうことは否めません。今回ご紹介をしましたメンター制度成功のひとさじが皆様のお役に立つことを願っております。

また弊社R4では新入社員の研修もお引き受けしております。もしご多忙な4月、自社運用で手が回らないところを手伝って欲しいというご要望がありましたら、下記メールフォーム、またはお電話からお問い合わせくださいませ。

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