採用ブランディング実践法│第1回「採用ブランディングとは?進め方は?」

採用ブランディング実践法│第1回「採用ブランディングとは?」

採用手法の一つとして、採用ブランディングが注目されています。今回から全6回にわたり「採用ブランディング実践法」と題しまして、採用ブランディングの進め方のポイントなどをご紹介いたします。
(※記事の内容は、採用ブランディングの本、【明日から使える「採用ブランディング」実践法 採用ブランドを構築する9つのステップ】の内容を抜粋しています。シリーズ形式になっていますが、全文をご覧になりたい方は、【 こちら 】の本よりご覧いただけます)

採用ブランディングが注目を集める理由

人々の価値観の変化、モノからコト・ストーリーへ

今、採用ブランディングに限らず、ブランディングという考え方自体に注目が集まっています。その背景には、商品やサービスに対する人々の価値観の変化があると言われています。例えば、ミレニアル世代、Z世代と呼ばれる人たちは、モノよりもコトを重視するようです。生まれたときからモノに恵まれ、必要なモノが周りに溢れているので、モノそのものに価値を見出さない。モノを所有するよりも、モノを通した体験=コトに価値を見出す傾向にあるそうです。

商品の機能(モノ)ではなく、商品の背景にある意義やストーリーなど(コト)に魅かれる人が多くなりました。そうした変化を受けて、企業は商品の機能に加えて、意義をアピールするようになっています。また、SDGsやESGといった社会的な課題へ対する取り組みが注目され、会社の社会的意義=「Purpose」を言葉にする等、自社のブランディングを行う企業も増えてきました。

デジタル化・多様化による採用の在り方の変化

ブランディングへの関心が高まる一方、採用のあり方にも変化が生じてきました。採用手法のデジタル化・多様化が進み、採用マーケットにおける他社との差別化がますます困難になってきたのです。そこで、自社らしさを明確にする手立ての一つとして、採用にブランディングの手法を取り入れようという動きが出てきました。採用マーケットにおいて「自社の存在意義を言語化し、他社との圧倒的な差別化をはかろう」というわけです。また、若い世代を中心に、企業の社会的意義への共感を志望理由に挙げる人も増えてきました。そうした背景もあって、採用ブランディングに注目が集まってきたのです。

採用ブランディングを実践するメリット

採用ブランディングには、どんなメリットがあるのでしょうか? 一般的には、次のようなことがメリットとして挙げられています。

□ 採用広報において他社との差別化が実現できる
□ 求める人物像の明確化により自社らしい人材が採用できる
□ 求職者へのアピールとなる自社の魅力を言語化・ビジュアル化できる
□ ミスマッチを解消することにより内定辞退や離職が減少する
□ 人材の定着により採用コストが削減できる
□ 応募者そのものが増加する
□ 社員たちの自社理解も進んで仕事に対する意欲があがる
□ 採用後の理念の浸透や教育が進めやすい
□ 採用担当者の変更等に左右されない一貫性ある採用コンセプトが確立できる

ご覧の通り、採用ブランディングにはメリットが盛りだくさんです。では、こうしたメリットを得るために、どのように採用ブランディングを進めていけばいいのでしょうか。その話へ移る前に、まずは採用ブランディングの概要についてお話させていただきます。

そもそも、採用ブランディングって何?

企業の「こう思って欲しい」と求職者の「こう思う」を近づける

「採用ブランディングという言葉は聞くが、そもそも採用ブランディングって何なの?」といった質問をいただく機会があります。ご質問に対して、私たちは「企業が求職者(就活生)に『こう思ってほしい』と考えていることと、求職者(就活生)が企業に対して抱く『こう思う』というイメージを一致させていく活動」とお答えしています……が、これだけではわかりづらいので、以下のような補足説明をさせていただいています。

企業は採用活動を行うにあたり、「(うちのことを)こう思ってほしい」という訴求ポイントを掲げます。求職者(就活生)は就・転職活動を通して、様々な企業に触れます。触れるたびに「(私はこの会社のことを)こう思う」というイメージを抱きます。このような関係性において、企業としては、求職者(就活生)の「こう思う」を、自社の「こう思ってほしい」に一致させたいはずです。求職者(就活生)の中でも、特に自社が求める人物像=採用ターゲットの「こう思う」を一致させたいと考えるでしょう。

採用ブランディング(企業と求職者、就活生の想いを一致させる)

求職者(就活生)が、ある会社のことを「どう思う」かは、その人の自由です。イメージ(心象)は、その人の心の中にあるものです。それを、企業がコントロールすることはできません。もちろん、採用ターゲットも同様です。いくら「自社に相応しい人材だ!」と思っても、彼もしくは彼女の心をコントロールすることはできません。「こう思ってほしい」と「こう思う」を“一致させる”のは極めて困難だと言えます。

“一致させる”のは難しくても、“近づける”ことはできます。「企業が求職者(就活生)に『こう思ってほしい』と考えていることと、求職者(就活生)が企業に対して抱く『こう思う』というイメージを“近づける”活動」こそが、採用ブランディングの正確な定義と言っていいかもしれません(あくまでも弊社が考える定義です)。では、どうやって“近づける”のか。

採用ブランディングの進め方で欠かせない3つの鉄則

“近づける”ために必要なのは、企業から採用ターゲットに刺激を与え続けること。自社の「こう思ってほしい」をアピールし続けることで、その人の「こう思う」を自社の「こう思ってほしい」に近づけていくのです。

3つの鉄則:一つ目は一貫性

刺激を与えていくにあたり、3つの鉄則があります。一つ目は「一貫性」を持たせること。採用活動を通じて、一貫したメッセージを発信していくのです。例えば、ナビサイトと採用ホームページとでは全く違うメッセージが載っている。会社説明会で聞いた内容と、面接で聞いた話との間に乖離がある。これでは「こう思ってほしい」に近づけることはできません。広報物から社員の言葉・立ち居振る舞いにいたるまで、採用ターゲットが自社に接触するすべての機会において、自社の「こう思ってほしい」をアピールすることが重要です。

3つの鉄則:二つ目は継続性

二つ目の鉄則は「継続性」です。採用ブランディングは一朝一夕では成し遂げられません。人の心に及ぶ話です。そもそもハードルが高いです。地道にコツコツと継続して、ジワジワと“近づけて”いく。そうした粘り強さが、採用ブランディングには欠かせません。

3つの鉄則:三つ目は意図的

最後が「意図的」であること。例えば、「青が好きだから青い採用パンフレットをつくった」ではなく、「今回の『こう思ってほしい』という指針を表現するために、すべての広報物の基調色を青色で統一しよう」といった具合です。「偶然うまくいった」では再現性がありません。すべての採用活動が意図したものでなければなりません

以上、採用ブランディングの概要をお伝えさせていただきました。より理解を深めていただくために、次回から採用ブランディングの具体的な進め方についてお話させていただきます。

この記事のライター

明日から使える採用ブランディング実践法(著者:毛利大一郎)
明日から使える採用ブランディング実践法(著者:毛利大一郎)

毛利大一郎/株式会社R4  制作部 事業部長 ブランド・マネージャー 
愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学 第一文学部卒。クリエイティブ・ディレクターとして、求人広告やパンフレットの他、映像、ウェブサイトから社史、CI/VIにいたるまで、さまざまな企業広告・広報物の企画・制作を手がける。手がけた社数は愛知県・岐阜県の企業を中心に200社を超える。 また、これまでにインタビューをした人数は約2000人に及ぶ。◆その他著書:『仕事にやりがいを感じている人の働き方、考え方、生き方。』(幻冬舎)

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