採用難の物流業界|トラック運転手(ドライバー)を採用するポイント大公開!
この記事では、ドライバー採用に向けた現在の市場から採用環境、難易度、スキル・タイプについてポイントを解説します。実勢に現在の採用環境はどうなっているかを知っていただいたうえで、どのように募集すればいいのかを解説していきます。
- 1. 「物流業界/ロジスティクス」における採用環境と採用難易度
- 1.1. 物流業界の原価構造
- 1.2. 車の稼働率/生産性
- 1.3. 物流の2024年問題
- 2. ドライバーの採用相場・採用難易度
- 3. 現在の「ドライバーに求められるスキル」とは何か
- 3.1. 情報機器の操作能力
- 3.2. 安全、環境、確実性に長けた輸送のプロとしての資質
- 3.3. 接客能力
- 4. ドライバーは6タイプ御社にぴったりな人はどのタイプ?
- 4.1. A:がっちり稼ぎたい派 仕事選びのポイント
- 4.2. B:時間内できっちり派 仕事選びのポイント
- 4.3. C:夜間走行OK派 仕事選びのポイント
- 4.4. D:固定ルート希望派 仕事選びのポイント
- 4.5. E:コミュニケーション派 仕事選びのポイント
- 4.6. F:中・長距離おまかせ派 仕事選びのポイント
- 5. 求人広告でおさえたおきたいポイント
- 5.1. 運転手採用|おさえておきたい①積み荷
- 5.2. ドライバー採用|おさえておきたい②車両の特徴
- 5.3. トラック運転手採用|おさえておきたい③運行距離
- 6. トラックドライバー採用、“応募方法”まで配慮を
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「物流業界/ロジスティクス」における
採用環境と採用難易度
ドライバーのほとんどはこの業界に属します。物流業界とはその名の通り、物の流れで、商品を生産者から消費者まで届ける仕事です。機能としては主に下記となり、一連の流れを物流と言います。
また近年では、併せてロジスティクスという言葉も多く耳にされていると思います。ロジスティクスとはただ単純に物を運ぶだけではなく、上記の機能を高度化するとともに環境と安全に配慮し、需要と供給の適正化を図ることを言います。
上記からもわかるように、近年の日本ではサービスの1つと捉え各企業が重要視し差別化を図るポイントとしてきている。
一方で、現代における物流(運送)会社の現状はどうでしょうか。
上記でお伝えしたように各社がサービスという位置づけで戦略的に進めようとする中、新型コロナの流行によりお家時間が増え、宅配需要が大幅に増加するなど、業界全体は大きく変化してきています(図1)。
しかし、通年課題だと言われている、ドライバー不足や競合の激化、さらには燃料費の高騰という問題が各社を大きく苦しめているのではないでしょうか。
物流業界の原価構造
運送会社の原価構造は主に次の8つから構成されていると言われています。
この中で①人件費が最も大きな割合を占めており、営業収益に占める人件費の割合は実に40%といわれています。運送会社にとっては、人件費の高騰を抑えながらトラックを走らせることが重要であり責務になってきます。
また、トラック運送会社にとっては、人件費と同時に、荷主企業から適正な運賃をもらいながら輸配送を続けていくことが重要になっています。しかし、荷主企業からの圧力により採算の合わない運賃で配送をし続けている企業が少なくないという厳しい現状もあります。
車の稼働率/生産性
車の稼働率が売り上げに直結。自動車の台数とドライバーの数で売り上げが変動すると言われます(一般的に車の台数に対して2倍のドライバーが必要)。
経営としては車を遊ばせたくない。また生産性を上げていきたいと考えています。この業界における「生産性を上げる」とは、「同じコスト、時間で売上を伸ばすこと」です。これを実現するには、輸送面での稼働効率を上げることが必須になります。配送コース、配送や集荷の組み合わせを見直したり、荷受けや出荷作業を効率的に連携するなど、生産性を上げる施策を打っていくことが肝になります。その中で最も重要なのが、従業員一人一人の意識改革。運送業は「人」で稼ぐ業界のため、従業員に対する生産性向上の教育も合わせて行っていかねばなりません。
物流の2024年問題
業界を理解する上で、直近の話題として押さえないといけない部分は「2024年問題」です。
ご存知の方がほとんどだと思いますが、改めてお伝えしますと「物流の2024年問題」とは、働き方改革関連法によって、2024年4月1日以降、「自動車運転の業務」に対し、年間の時間外労働時間の上限が、960時間に制限されることによって発生する諸問題に対する総称です。これにより、1人当たりの労働時間が大きく制限されることにより、人材の過不足、物流が滞る可能性が出てくると考えられます。当然それにより、今後さらにドライバー人材の確保が激化すると思われます。
『物流業界の2024年問題』について詳しくはこちら
ドライバーの採用相場・採用難易度
厚生労働省の調査によると、2021年度のドライバーの有効求人倍率は1.88倍(図2)。この数値は全職種の有効求人倍率と比べると、水準はかなり高く深刻な人手不足に陥っているのが現状です。
また、配送や物流業界で働く40代、50代の中年層の割合は全体の4割を超えています(図3)。全業種の中年層の割合が3割程度なので、将来を踏まえると働き盛りである若年層の人材獲得が大きな課題です。さらに、配送や物流業界は、買い手市場で求人数に対して求職者数が上回っています。求職者は求人を選べる状態なので、企業が求人を出す際は求職者の興味を引くために他社との差別化が欠かせません。
現在の「ドライバーに求められるスキル」とは何か
近年、業界や時代の変化により、ドライバーに求められるスキルも変わってきています。運転のスキルについてはもちろん、以下のスキルについても重要視されてきています。
情報機器の操作能力
情報機器のトラックへの導入はもはや避けられない業界の流れ。いかにそれらを効率よく使いこなせるかが、ドライバーの採用条件になります。そのためには早くから機器に慣らし教育できる若年層の計画的な取り込みが肝要とされています。
安全、環境、確実性に長けた輸送のプロとしての資質
特に幹線輸送のドライバーに求められる資質です。輸送の効率化によりドライバーがトラックを走らせる時間が増え「安全に確実に届ける」ドライバー本来の役割が第一に求められます。また今後環境問題への意識の高まりを考慮し、無駄なアイドリングや急発進のない「環境に優しい走行技術」夜間労働に耐える「体力」も必要と考えられています。つまりドライバーとしていかに優しく確実な走りができるか?「走り」のプロではなく「輸送」のプロとしての資質が求められています。
接客能力
とくに配送・集荷ドライバー(宅配)に求められるといわれているスキルの一つです。エンドユーザーへの集荷や配送が多い仕事のため、ドライバーの接客能力が顧客満足度につながりやすい。いかに顧客に好感を抱かれるか、マナーや話し方、ひとつひとつの行動や身だしなみまで問われることになります。
つまりさらにサービス業の資格を持った人材採用を考慮していく流れになってきます。また「いかにその人材が顧客満足を生みだせる人材へ教育していくか」も肝要であると考えられています。
ここまでお伝えしてきましたが、ドライバーと一言で言っても様々な種類が存在します。また求める人材についても、業界や職種、運ぶものや移動距離などにより大きく変わってくると思います。自社がどんなタイプの人材を採用したかが今後、募集をする上でのポイントになります。
※次項より、どんなタイプが何を知りたいかをお伝えします。
ドライバーは6タイプ
御社にぴったりな人はどのタイプ?
企業の事業内容によって、求められる人材のタイプは変わってきます。御社の求めるタイプの人材はどのタイプでしょうか?それぞれのタイプごとに仕事選びのポイント及びリアルなコメントを記載します。それぞれのタイプにより仕事の選び方や率直な意見は様々です。応募者心理を理解し、採用成功に結び付けていきましょう。
A:がっちり稼ぎたい派
B:時間内できっちり派
C:夜間走行OK派
D:固定ルート希望派
E:コミュニケーション派
F:中・長距離おまかせ派
A:がっちり稼ぎたい派 仕事選びのポイント
1 | どんな荷物を運ぶのか? |
37.3% |
2 | 具体的な報酬体系と経験、資格、年齢に応じた給与額 | 27.1% |
3 | MT車かAT車か | 25.4% |
4 | カーナビの有無 | 20.3% |
5 | 勤務時間は? | 18.6% |
<コメント>
◆(荷物)前に運んでいた荷物と同じタイプか?自分の経験が活かせるかどうか気になったから(29歳・男性)
◆渋滞時、AT車は楽(20歳・男性)
B:時間内できっちり派 仕事選びのポイント
1 | どんな荷物を運ぶのか? |
46.0% |
2 | 勤務時間は? | 38.0% |
3 | 具体的な報酬体系と経験、資格、年齢に応じた給与額 | 22.0% |
4 | 社会保険の有無 | 22.0% |
5 | 年間休日と連続休暇がとれるかどうかなど | 20.0% |
<コメント>
◆(荷物)自分でも運べるものかどうか(26歳・女性)
◆(勤務時間)予測のつかない仕事は嫌だから(23歳・男性)
C:夜間走行OK派 仕事選びのポイント
1 | どんな荷物を運ぶのか? | 33.3% |
2 | MT車かAT車か? | 31.0% |
3 | 具体的な報酬体系と経験、資格、年齢に応じた給与額 | 21.4% |
4 | 専用車かどうか? | 21.4% |
5 | 勤務時間は? | 19.0% |
<コメント>
◆(専用車)同車種でも癖がある。馴染んだ車が良い(41歳・男性)
◆(荷物)運ぶもので神経の使い方が違う(37歳・男性)
D:固定ルート希望派 仕事選びのポイント
1 | どんな荷物を運ぶのか? | 44.2% |
2 | 勤務時間は? | 30.8% |
3 | 具体的な報酬体系と経験、資格、年齢に応じた給与額 | 28.8% |
4 | MT車かAT車か? | 19.2% |
5 | 専用車かどうか? | 13.5% |
<コメント>
◆日勤のみの仕事をずっとしてきたのでできれば変えたくない(26歳・男性)
◆(荷物)よく知っている商品の配達だった(32歳・女性)
E:コミュニケーション派 仕事選びのポイント
1 | 勤務時間は? | 33.3% |
2 | どんな荷物を運ぶのか? | 23.8% |
3 | その他 | 23.8% |
4 | 具体的な報酬体系と経験、資格、年齢に応じた給与額 | 19.0% |
5 | 手当て(深夜手当てなど) | 19.0% |
<コメント>
◆(勤務時間が)無駄に長時間じゃないかどうか(28歳・女性)
◆(荷物)重いものかどうか(28歳・女性)
F:中・長距離おまかせ派 仕事選びのポイント
1 | 社会保険の有無 | 30.4% |
2 | 専用車かどうか? | 30.4% |
3 | どんな荷物を運ぶのか? | 26.1% |
4 | MT車かAT車か? | 26.1% |
5 | カーナビの有無 | 26.1% |
<コメント>
◆(専用車)積み下ろしの作業が専用車は楽だから良い(64歳・男性)
◆他の人が乗る為に気を使う必要があるのかどうか(31歳・男性)
求人広告でおさえたおきたいポイント
人手不足が叫ばれるようになって久しい物流業界。外国人ドライバー解禁の機運の高まりや「ダブル連結トラック」の導入など、国を挙げての輸送力確保策も次々と検討されています。コロナ禍の就転職市場においては、ドライバー志望者が増加傾向にある…とも言われているようですが、それでも採用担当の皆さんにとっては、厳しさを感じる場面が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、求人広告の書き方を改善することで、ドライバー職への応募数拡大を狙う方法をご紹介します。求人広告に何を書けば、“定着してくれるドライバー志望者”からのエントリーを獲得しやすくなるのか。基本的なポイントを、以下に1つずつご説明致します。
運転手採用|おさえておきたい①積み荷
「何を運ぶか」は、ドライバー志望者が仕事を選ぶ上で大きな判断材料となる情報です。なぜなら、運ぶものが明らかになれば、同時にその仕事のメリットが浮かび上がってくるからです。
例を挙げますと、スクラップや資源の回収ドライバー業務であれば、積み荷はいずれリサイクル工程で破砕してしまう訳ですから、輸送中の振動等によるキズの発生はそこまで気にする必要はありません。また、to B(法人向け)の定期便輸送で、ドライカーゴだけを運ぶ仕事であれば、儒損事故(積み荷の水濡れ)のリスクはほぼゼロになります。
このように荷物の種類を明らかにし、その荷物を運ぶからこそ生じるメリットを明確化しておけば、今の働き方に悩んでいる方や過去にドライバーを経験した人が、募集職種に魅力を感じてくれる可能性が高くなります。
例えば、精密品輸送の仕事をしているドライバーさんは、段差の少ないルート選びや急カーブのない経路設計など、日々神経を使いながら運転をこなしていらっしゃるはず。そんな毎日にお疲れ気味の方が「ウチの荷物なら、多少傷ついても大丈夫だよ」と聞けば、回収ドライバーの仕事に魅力を感じてくださることでしょう。また、過去に儒損事故に遭われて一度は離職したドライバー経験者さんが、「自動車部品専門のルート配送だから、濡れ物はまず扱わないよ」と聞けば、それなら自分でも現場復帰できるかも…と安心してくれるかもしれません。
積み荷の中身が限定できない場合は、荷物の大きさ・重さや、梱包形態などについて言及するのも手です。「カゴ車単位での荷扱いなので、荷降ろしに要する時間がバラ積みよりも短くて済みます」「バラ積みではありますが、各梱包は両手で難なく運べる大きさ・重さですので、台車に移す手間が掛かりません」などなど、どんな荷物でも何かしら扱いやすいポイントはあるはずなんです。
ドライバー採用|おさえておきたい②車両の特徴
募集職種の方が運転する車両についても、できるだけ詳細な情報を載せたいところです。
まず、最大積載量は何トンか。これは応募時に必要となる免許の種類にも関わる点ですので、明記することを強くお勧めします。
乗務予定の車両に取り付けられている装備・装置についても確認しておきましょう。法改正の関係もあり、デジタコ・ETC程度は標準装備としている事業所様が大半かとは思いますが、カーナビ・バックカメラ・ドラレコ等も併せて設置されているようであれば、競合案件との差別化に繋がります。
また、車両の仕様そのものがアピールポイントになる場合もあります。AT車かMT車か、衝突回避支援システムは搭載されているか、荷台部分はバンタイプかウイングボデーか、パワーゲートの有無なども記載しておきましょう。
そして、これは車両の特徴とは少しずれますが、ドライバー1人につき1台 “専用車” を割り当てているようであれば、ぜひその旨も表記されることをお勧めします。「家族の写真を飾っておきたい」「腰痛緩和クッションや背当てを付けっぱなしにしておきたい」など、車室空間へのこだわりをお持ちのドライバーさんは少なくないものです。運転席は“走る仕事場”。気分よく乗り回せる環境を確保してあげれば、ドライバーさんのパフォーマンス向上も期待できます。
トラック運転手採用|おさえておきたい③運行距離
自分が担当する配送は、地場か、中距離か、長距離か。これもドライバー志望者が気にする情報です。おおよその目安としては、近隣市町村~県内もしくは隣県までの運行が「地場配送」、3県以上を股に掛けるようなルートが「中距離配送」、それを超えると「長距離配送」といったところでしょうか。
地場配送の場合は、1日に何便(何往復)をこなすのか。中距離配送の場合は、高速利用の自由度はどのくらいか(原則高速利用・会社の許可が出た時のみなど)。長距離配送の場合は何日運行のルートを担当するのか――そういった補足情報もあると、ドライバー志望者にとっては、働くイメージをより描きやすくなるはずです。
トラックドライバー採用、“応募方法”まで配慮を
上記では求人原稿の中身についてお話ししましたが、どんなに魅力的な募集でも、応募方法が明記されていなければ意味がありません。そしてドライバー志望者の場合、スマホやPCでの文字入力を伴う「ネット応募」よりも、その場で質問ができて面接日も決められる「電話応募」が、他職種の志望者に比べて好まれやすいという傾向があります。ですから求人原稿内には、電話応募の可否や電話番号、採用担当者の対応可能時間帯などを、わかりやすく書いておくことも大切です。
…と、これらの工夫を凝らしても応募獲得に至らない場合は一度、求人広告のプロを頼ってみてください。当社・R4では、ドライバー職の採用成功事例も多数有しております。貴社の抱える課題を丁寧にお伺いし、解決方法を一緒にプランニングさせて頂きます。まずはお気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。
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この記事を書いた人
長屋 健/ 営業
物流業界・運輸業界などを中心に多くのお客様のお手伝いをしています。またエリアとしても、愛知県・岐阜県はもとより、全国的にサポートをさせて頂いております。
様々な領域、様々なケースでのお手伝いをしてきておりますので、総合的な観点から貴社にとって真に最適なものは何かをお示しすることができます。
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