インターンシップのやり方と設計を解説|重要ポイント

人事担当必見!インターンシップのやり方と設計の重要ポイント

新卒採用をする上で、優秀なターゲット層を確保するには避けて通れなくなってきている「インターンシップ」の実施。ここ1.2年で、今までインターンシップはやっていなかったけど、始めた!という企業も多いのではないでしょうか?

とは言え、マーケットも急速に変化しており、毎年のコンテンツ内容の見直しが必須になってきています。ですが、「どんなやり方をすれば、学生に響くのか分からない…」 「初めてだからそもそものやり方も分からない…」などのお悩みを抱えた採用担当の方も多いと思います。

そんなお悩みをお持ちの方のために、インターンシップの目的、現在のインターンシップマーケットについて、効果的な1Dayインターンシップコンテンツのやり方、またインターンシップで抑えるべき成功のポイントを紹介します!

インターンシップを実施する目的

まず初めに、インターンシップを実施する目的について押さえておきましょう。
今回は目的を大きく3つに分けてお伝えします。

目的①:早期から学生と出会う

内定の取得は年々早まっており、リクナビのグランドオープンでもある3月1日時点で22.8%となっています。

ここからわかるように、学生の就職活動の早期化が進んでいます。特に優秀層の学生は動きが早く、大学3年生の夏時点でインターンシップに参加をし、そのまま早期選考に進んでいます。ターゲット学生がいつから動いているかをリサーチするのは重要ですが、学生の参加率から見ても早期からインターンシップを行い、学生と出会うことは必須になってきているでしょう。

目的②:入社後のミスマッチを防ぐ

入社前に実際の仕事もしくは実際の仕事の疑似体験をすることで、学生に働くイメージをもってもらうことができます。また、企業側としても確実にその人材が自社で働く上で能力が発揮できるかどうかを確認することができます。インターンシップをお試し期間と捉え、双方のマッチ具合を確かめることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

目的③:学生の能力の適性を判断する

インターンシップは1Dayの開催でも10時~17時など、1日かけて行うことが多いです。そのため、一方的な説明の時間が多い説明会と違い、実際の業務体験やグループワークなどを通し、学生の能力や適性を判断できる機会が多くあります。インターンシップの時点でどのくらいの能力や適性があるのかが分かっていれば、本選考の時に判断がしやすくなります。

インターンシップ|企業の実施状況・学生の参加状況

企業のインターンシップの実施予定率は55.1%

2023年卒対象の企業のインターンシップの実施率を見ると、「実施・計」は73.9%でした。また、2024年卒対象のインターンシップ実施予定も55.1%と半分を超え、2023年卒同等の約7割の企業がインターンシップを実施する兆しがあります。採用活動におけるインターンシップの立ち位置も年々重要度が増しているように感じます。

インターンシップ参加後の選考参加率平均は57%

インターンシップの参加率は調べたら出てくることが多いですが、実施後どれくらい選考まで繋がっているのかは、個社ごとにデータを採っているので、中々世に出てくることがありません。

そこで今回、弊社で採用業務の事務代行としてアウトソーシングサービスをさせて頂いている企業様のインターンシップ参加後の選考参加率を集計してみました。すると、平均して56.7%の学生が選考に参加していることが分かりました。

また、「69%が3月より前に選考を開始」 「1月より選考をスタートする企業が最も多い」という事も明らかになりました。

この結果から見ても、インターンシップが実際の採用に繋がる重要な手段となっていることが分かると思います。

インターンシップの種類と期間

では、インターンシップのやり方として、どんな種類や期間のものがあるのでしょうか。
大きく分けると以下の2つの種類に分かれます。

短期インターンシップの定義:1日~1か月以内

夏季は7~9月、冬季は12~2月にかけて実施されます。大学の休暇期間に行われることが多いです。内容は実際の実務よりも、疑似体験やグループディスカッション、社員同行、グループワークなどのコンテンツをやる企業が多数です。※1日開催のインターンシップをリクナビ上では「1Day仕事体験」と表記します。

長期インターンシップの定義:1か月以上

開催時期も募集期間も通年にわたるところが多いです。内容も社員と同様の実務体験が一般的で報酬があるところも多い傾向です。 実態としては、インターンシップの開催や参加は1日開催が一番多く、88.5%の経験割合となっています。

上記からインターシップの開催や参加は1日開催の割合が高いですが、満足度は2日以上のプログラムの方が高い傾向にあります。
1日開催と2日以上の開催で満足度に差が出ている理由としては、「実際の業務を体験できるコンテンツ内容かどうか」というところが大きいようです。1日開催の場合、コンテンツ内容としては「自己分析をする」「業種や企業の説明を受ける」「直接社員に質問できる質問会など」の説明会に近い内容で、学生が受動的に受けるものばかりです。2日以上の場合は、「アルバイトやパートタイマーが行う業務の一部を経験する」「仕事をしている社員に同席あるいは同行する」「社員の補助的な業務の一部を経験する」といった業務の一部を経験できるようなプログラムが多く、学生も主体的に動け、説明会では得られない情報を得ることができます。

インターンシップの効果的なやり方

上記のことを踏まえ、「開催日数は1日で、学生の満足度を上げる」ということが今後のインターンシップの活動では肝になります。とはいえ、1日開催となると、時間もやれることも限られます。どのようなやり方をすれば効果的なのでしょうか。
という事で、ここからはインターンシップのやり方、コンテンツ内容について例を交えてお伝えします。

コンテンツよりもインターンを実施目的を先に決める

まず最初にインターンシップのやり方を考えるにあたって、一番大事なポイントについてお伝えします。
皆さんはインターンシップをやろうと思ったとき、コンテンツ内容を最初に考えていませんか?

「いいコンテンツ内容が思いついた!」と思っていざ実施してみても、「あれ?全然学生に響いていない…」なんてこともあったかもしれません。良いコンテンツ内容だと思ったのに、なぜでしょうか?
それは、「どんな学生(ターゲット)にインターンシップ参加後にどんな気持ちにさせるか(ゴール)」という目的を考えずに作っているからです。

インターンシップのやり方としては、まず「どのような目的で行うのか」を決めるところからスタートします。その後にコンテンツの中身を考えていくという流れです。

目的を決める → コンテンツ内容を考える

ターゲットとゴールを設定する

目的は、「どんな学生(ターゲット)に、インターンシップ参加後にどんな気持ちにさせるか(ゴール)と決めることです。ここで大事なのは、インターンシップ単体で考えないようにすることです。インターンシップから始まったとしても、最終的には自社がターゲットする人材に内定承諾してもらいたい。これが採用のゴールだと思います。そのため、採用全体の設計があって、その一部にインターンシップがあるという考え方で進めていきましょう。

おすすめは以下の図を参考にして、それぞれのフロー(インターンシップ、説明会や選考など)をどのフェーズ(発見、興味、共感など)に置くか、そのフェーズの時、学生にどんな気持ちになっていてほしいか(下記図のように、「安心納得フェーズでは学生が自社で働くイメージを持てて安心している」等)を考えるやり方です。

この場合だと、「興味」「共感」「理解」のフェーズがインターンシップの得意領域になります。
インターンシップの目的として「興味」フェーズに置くのか、「共感」フェーズに置くのかは各企業によって違います。

ここからは1つ事例として『自動車部品メーカー 技術職』をあげさせていただきます。
募集職種が技術職で、ターゲットが電気・電子系の学部に所属する理系学生。採用の全体設計としては以下の通りです。

発見 リクナビで掲載 理系学生に注力してスカウト送信し、見つけてもらう
興味 リクナビWEBイベントに出展 動画を見て自社に興味を持ってもらう
共感 インターンシップ 自分の学んでいる事が活かせると知ってもらう、他社との違いを知る
理解 説明会、座談会 具体的な仕事内容が分かる、理解する
安心納得 選考 ここでなら働けるかもと思ってもらう
意思決定 意思決定 自社での活躍イメージを持ってもらう

こうなると、インターンシップのゴールは『自分の専攻が活かせることがわかり、他社と比べてもここだと自分がやりたい事ができそう』になります。整理すると…

ターゲット … 電気・電子系の学部に所属する理系学生
ゴール … 自分の専攻が活かせることが分かり、他社と比べてもここだと自分のやりたいことができそう

ここまできてやっと、コンテンツの中身を考えていきます。
では、上記の例に出した企業の場合、具体的なコンテンツはどのような内容が考えられるでしょうか。 

学生に響くインターンシップのやり方 5選

例に出した企業の場合、学生にインターンシップ参加した後に『自分の専攻が活かせることがわかり、他社と比べてもここだと自分がやりたい事ができそう』と言う気持ちになってほしいというところがゴールになります。

そのため、コンテンツとしては

・自社と専攻の相関図の説明
・実際のモノや技術に触れられるワーク
・自社と他社の商品比較検討ワーク
・同じ学部出身の先輩社員に技術/ノウハウについて聞く
・技術者による「自社の技術の強みとは」講座

などが考えられるでしょう。

先に目的を決めておくと、想定ターゲットと想定ゴールからやるべきことをスムーズに考えることができますね。

 インターンシップのやり方と設計の重要ポイント
まとめ

改めて、インターンシップのやり方として大事なポイントは以下の2つです。

どんな学生(ターゲット)に、インターンシップ参加後にどんな気持ちにさせるか(ゴール)の目的をはっきりさせる

・目的に合わせてコンテンツ内容を検討する


今コンテンツはあるけど、いまいち効果を感じていない方も、初めてでどうやっていけばいいかよく分からないという方も上記の流れで一度組み直してみてください。

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