R4ブランド戦略室コラム│第6回『甲子園』は、企業ビジョンのヒントになる。」

お世話になっております。株式会社R4です。
株式会社R4のブランド戦略室による
メールマガジン『人が集まる「ブランド思考」』を
お送りいたします。
企業に人が集まり、価値が伝わり、事業が育つ。
そのカギとなる「ブランディング」や「理念の力」について、
毎回さまざまな視点からお届けしてまいります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人が集まる「ブランド思考」 第6回
「甲子園」は、企業ビジョンのヒントになる。
株式会社R4ブランド戦略室 室長 毛利大一郎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
夏の風物詩といえば、高校野球。
今年も日々、熱戦が繰り広げられています。
選手たちが懸命にプレーする姿を見ていると、
ふと「ビジョンとは何か」を改めて考えさせられます。
高校球児たちにとって、
「めざせ甲子園」という言葉は単なるスローガンではありません。
それは、彼らの日々の行動や意思決定を方向づける
強力な“ビジョン”として機能しています。
では、「めざせ甲子園」がなぜビジョンになり得るのでしょうか?
以下の5つの視点からご説明します。
1)象徴的な意味を持つから
甲子園は単なる大会会場ではなく、
「努力」「仲間」「夢」の集大成として認識されています。
このように“意味づけされた未来像”であることが、
ビジョンとしての力を生み出します。
2)行動の指針になるから
「甲子園を目指す」と口にすることで、
練習への取り組み方や日々の心構えが変わります。
つまり“ありたい姿”が明確になることで、
自律的な行動が促されるのです。
3)共有できる夢だから
チーム全員が「めざせ甲子園」という共通言語を持つことで、
団結力やモチベーションが高まります。
これは企業においても同様で、
社員全員が共通のビジョンを持つことは非常に重要です。
4)自分が活躍する姿が思い浮かぶから
選手たちは、自分が甲子園でプレーしている姿を
映像のようにイメージしています。
この“リアルに想像できる未来”こそが、
実現可能性への信念と強い動機づけにつながります。
5)ワクワクする感情を伴うから
「甲子園」という言葉には、人の心を動かす力があります。
ワクワクする感情は、自分事化・行動意欲・周囲への共感といった
好循環を生み出します。
このような構造は、企業のビジョンにも見られます。
例えば、ANAグループは次のようなビジョンを掲げています。
「ワクワクで満たされる世界を」―
私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、
社員・お客様・社会の可能性を広げていきます。
このビジョンは、“空”という事業領域から始まりながらも、
人と人、人と社会との新しい関係性まで見据えた未来像となっています。
ANAグループでは、この言葉が社員一人ひとりの
日々の判断や挑戦に影響を与える指針となっていることが特徴です。
ANA公式サイト:グループ新ビジョン
また、トヨタ自動車は
以下のようなシンプルかつ力強いビジョンを掲げています。
「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える。」
このビジョンには、自社技術によって社会全体における可動性を高め、
それによって新しい価値や機会を創出していこうという
意志が込められています。
単なる製品開発や輸送手段ではなく、
「可動性」を軸に未来社会へ貢献する姿勢が明確に示されています。
トヨタ公式サイト:企業理念・フィロソフィー
つまり、「ビジョン」とは単なるスローガンではなく
– 意味づけされた未来像であり、
– 行動指針となり、
– 組織内で共有され、
– 個々人が自己投影でき、
– 感情的共鳴を引き起こす
そんな多層的な要素を含むものなのです。
新しいビジョンの策定を検討されている企業様は
「自社にとって“甲子園”とは何か?」という問いから
始めてみてはいかがでしょうか。
明確なビジョンは、組織全体に力強い推進力を与えてくれます。
お気軽にお問い合わせください。052-212-2007受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]
メールでのお問い合わせはこちら