インターンシップとは?新卒採用で実施する目的や流れを解説【企業向け】
新卒採用においてインターンシップを実施する目的や意義、実施するにはどうしたらいいのか、
メリット・デメリット等、インターンシップの基本について解説します。
インターンシップとは
インターンシップとは、一般的に、『学生が企業に入社する前に、実際の仕事に近しい就業体験をすること』を指します。
中でも『就業体験を必須とせず「個社・業界の情報提供等」や「教育」が目的、かつ、4日以下で終了するもの』を“オープン・カンパニー&キャリア教育等”(25卒までは“1dayお仕事体験”)と呼び、『就業体験を必須とし、「自身の能力の見極め」や「評価材料の取得」かつ5日以上の開催のもの』を“インターンシップ”と呼びます。
対象学年は大学1年生~3年生で、現状、主に大学3年生の夏・冬に参加する学生が多いです。
インターンシップでは、仕事体験を通じて、仕事理解をするだけではなく、実際に働いている人にお話を聞いたりし、業界の理解や同業他社の比較を行い企業理解する場としても役立っています。
インターンシップはアメリカを起源です。“インターン”:実習生。“シップ”:立場という意味になり、直訳すると“実習生の立場”となります。この訳の通り、インターンシップとは学生が卒業した時点で、社会経験を積めている状態にすることを目的としています。
※この記事では、25卒までの“1dayお仕事体験”、26卒からの“オープン・カンパニー&キャリア教育等”を含めて、インターンシップと呼びます。
インターンシップをする価値や意義
インターンシップは、推進に当たっての基本的な考え方を三省(文部科学省、厚生労働省、経済産業省)が連携して決定しており「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義されています。
インターンシップで取得した学生情報を広報活動や採用選考活動に使用してはならないとされていましたが、「一定の基準に準拠するインターンシップで得られた学生情報については、その情報を採用活動開始後に活用可能」とすることで合意に至りました。
その3省から出ている基本的な考え方は以下になります。
- 大学や学生視点
キャリア教育や専門教育/教育内容や方法の改善/高い就業意識の育成/自主性や独創性のある人材の育成
「社会人基礎力」や「基礎的・汎用的能力」などの社会人として必要な能力を高め、自主的に考え行動できる人材の育成にもつながります。 - 企業視点
実践的な人材の育成/大学等の教育への産業界等のニーズの反映/企業等に対する理解の促進や魅力発信
早期から接点を取ることができ、中小企業様やベンチャー企業様にとって自社の魅力を発信する手段としてはかなり効率が良いものです。
出展:文部科学省 インターンシップの推進に当たっての基本的な考え方 https://www.mext.go.jp/content/20210125-mxt_senmon02-000012347_11.pdf
インターンシップを実施する目的|企業視点
続いて、企業視点でインターンシップを実施する目的を見てみましょう。基本は以下3点を目的としている企業様が多いです。
- 入社後のミスマッチを防ぐため
学生が期待し想像をしている企業イメージと企業の実態を繋げ、お互いにマッチしているのかを判断できる場です。
入社までに理解を深め、より活躍可能性が高い場がある場所で働けるようにします。 - 優秀な学生と早期から出会うため
就職活動が早期化しており、優秀層といわれる学生はより、早期から動いている傾向にあります。 - 入社意欲を高めてもらうため
早期離職といわれる入社後3年以内に30%が離職をすると言われています。
ミスマッチが起こらないように就業体験を通し学生に理解をしてもらう場として活用をしているケースもあります。
インターンシップを参加する目的|学生視点
一方、学生の目的は企業の目的とは異なり、2022年卒の学生500人を対象にアンケートを取った結果が以下の通りです。
- 「業界・企業・職種理解を深めるため」(77.6%)
自分のやりたいことや向いていることを探す学生や、企業比較をするためという目的を持って行動をしています。 - 「就活の予行練習のため」(51.6%)
質問ができるようになるために、緊張をしないようにするため、練習をしている学生もいます。 - 「自己分析を深めるため」(37.2%)
対人技術の程度を測りたいと思ったため、自分の長所や短所を知るために参加をする学生さんもいます。
また、“そもそもインターンシップに参加する意味があるのか“を、就職活動を終えた学生500人に対し調査をしたところ全体の94.2%が「ある」と回答しています。
このように、学生は3つ(業界・企業・職種理解を深めるため・就活の予行練習のため・自己分析を深めるため)の目的を掲げてインターンシップに参加しており、その上で実際「参加して意味がある」と感じた学生は90%以上になります。
インターンシップコンテンツを作る際は学生がインターンシップに参加する目的を意識すると、学生と企業双方にメリットが生まれると言えそうです。
インターンシップを導入するには?
2023年から変わったインターンシップの定義とは
今まで、インターンシップと呼べるものは就業体験を伴い実施期間の制限がありましたが、三省合意(文部科学省、厚生労働省、経済産業省)により就業体験を伴わない「オープンカンパニー」という形式でインターンシップを開催できるようになりました。
就業体験が含まれないような“会社説明会”や“先輩座談会”などでインターンシップを開催することができるようになったため、今まで、インターン生を長期間受け入れられることができなかった企業や、コンテンツに困っていた企業様も開催が容易になりました。
【4タイプのインターンシップのあり方について】
新卒採用のインターンシップの流れ
上記の4タイプから自社にあったインターンシップのタイプを決定した後、どのようにインターンシップの開催準備を進めるかをご説明します。
- 計画を決める
インターンシップを開催する目的を決めます。目的は企業によってさまざまです。
優秀な人材を獲得したい、本就職活動の早期化に乗り遅れないように早期選考を取り入れたいなどが多い理由です。 - ターゲットの学生を決定する
学年・学部/学科・資格・価値観を軸に選定をします。 - プログラムを作成する
1day仕事体験/インターンシップどちらを開催するか。インターンシップの場合、開催期間は何日にするのかを決定します。
決定したターゲットの求めるスキルや特性に合わせコンテンツを作成することをおすすめします。
- 学生を集客する
大手ナビサイトやスカウトで特定の学生だけ集客する方法もあります。
また、大学への訪問を行い特定の大学の学生を集客することも可能です。企業様にあった手法での学生集客をします。
インターンシップを導入したらどうなる?
インターンシップを実施する企業側のメリット・デメリット比較
ここまでは、インターンシップを開催する目的や意義をお伝えしましたが、開催することでのメリット・デメリットもあります。企業によってメリット・デメリットと感じることは異なりますが、ここではよくあるメリット・デメリットをお伝えします。
メリット
- 企業のこと学生に認知してもらえる
- 入社前に学生のことを知ることができ、ミスマッチを防ぐことが期待できる
- 社内でインターンシップに関わった社員が、新入社員に興味を持つことで受け入れ体制を強化できる
- 志望度を高めることができる
デメリット
- 会社説明のみやセミナータイプのインターンシップでは、学生の特性を知ることはできない
- 実際の業務とは異なり、一部を切り取った業務になるので、一部のみを見て学生に判断されてしまう
- 学生を受け入れる体制を構築することへの負担がかかる
インターンシップの成功事例
今までインターンシップを開催していなかったが、最近開催をすることになって成功をした事例をお伝えします。
ある企業様の24卒内定者のうち4割がインターンシップ期の学生でしたが、うち内定承諾者の約3割の学生がインターンシップ期から参加していた学生であり、早いうちから接点を取っている学生ほど動機形成もできておりマッチ度が高い傾向にありました。
このように、早期から接点を取ることでお互いに深く知ることができ、早期離職の心配も低くなる可能性があります。
インターンシップまとめ
いかがでしたでしょうか。インターンシップを開催することのメリットやデメリットから、御社がインターンシップを開催する必要は本当にあるのかを判断いただく材料になればと思います。
開催する場合は、どんな学生さんを集客したいかターゲットを決め、集客の目的を明確化することで1年後取り組みとしてよかったのか、いまいちであったのかを振り返ることで、次年度の採用に活かすことができます。
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千賀 寿野 / 営業
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