20代男性は存在しない?自社で活躍できる採用ターゲットのつくり方

採用をスタートさせる際に決めることになるターゲット。「若手」「未経験」「出来れば男性」というような設定にしていませんか?これも決して間違いではありませんが、抽象度が高く、あまり効果的なターゲット設定とは言えません。良い人材の採用には、ターゲット設定の具体化は必要不可欠です。

今回はたくさんの企業様の採用をお手伝いしてきた観点から、自社で活躍できる採用ターゲットづくりのポイントをご紹介します。

そもそも採用ターゲットとは?

採用ターゲットとは

採用ターゲットとは「自社で活躍できる人材」を指します。自社が求めるスキルや人柄をもった人材を具体的に言語化したもので、これらをベースに採用活動をおこなっていきます。前述した「若手」「未経験」「できれば男性」という表現では抽象度が高く、採用ターゲットを設定するためには更に掘り下げる必要があります。

採用要件との混同に注意

また、気を付けたいのが「採用ターゲット」と「採用要件」の混同です。

「資格」や「高卒以上」など、「なければ仕事ができない、募集職種における最低条件」であるハード面(形ある要素)は「採用要件」に該当します。※業種・職種によって年齢などが最低条件に含まれる場合があります。

反対に、「初対面でも臆せず話せる」などのソフト面(無形の要素)が「採用ターゲット」に該当します。

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採用ターゲット具体化による3つのメリット

①質の良い母集団形成ができる 

ターゲットを明確にしていくことは、ターゲットの思考やニーズを掘り下げていくことにもつながります。相手のニーズに合わせた情報を伝えることで、効率的に母集団を形成することが可能になります。「応募は多いけど、見合った人材は少ない」というお悩みは多く聞かれます。たくさんの人に向けたメッセージより、具体化された「あなた」に向けたメッセージの方が早く、まっすぐに相手に届きます。質の良い母集団を形成するためには明確な「誰か」を想定していくことが大切なのです。

②面接辞退や離職率を防ぐことができる

採用ターゲットを掘り下げていくことで企業と求職者の共感ポイントが増え、仕事内容や企業理解を深めることができます。理解が深まっている求職者は志望度が高いため、連絡のない面接辞退や入社後すぐの離職を防ぐ効果が期待できます。

③採用担当者の手間を減らすことができる

採用担当者様の中には「ほとんど全員を面接しているが、採用できる人材が少ない」という方もいるかもしれません。ターゲットを明確にしていると求めている人材での母集団形成ができるため、膨大な応募者の中から面接できる人材を探し出すという手間を減らせます。

採用ターゲットを設定するための3つの方法

性格を具体化する

例として「営業職で若手を採用する」と想定して話を進めていきたいと思います。もちろん現在採用活動を行っているようであれば、その職種を想定ください。

まず最初にお伝えしたいのが、「20代男性」という採用ターゲットは存在しないということです。2023年5月時点で日本の20代男性は約654万人いますが、総務省統計局 人口推計2023年5月のデータよりその全員に営業職が適職かというと、そうではありませんよね。

同じ20代男性でも趣味嗜好、行動などはそれぞれ違うため、大切なのは「募集職種で求められる性格を具体化すること」です。これだけで「自社で活躍できる人材」イメージに一歩近づきます。

募集職種で求められる性格を具体化する

「営業職の若手」の場合・・・「活発な人」
● 「事務職の若手」の場合・・・「真面目で主体的に動ける人」

コミュニケーションスキルを具体化する

よくある採用ターゲット像に「コミュニケーション能力が高い方」というものがあります。折衝のあるなしに関わらず、どの職種でも一定求められるスキルなのではないでしょうか。

採用活動において重要なのは「コミュニケーションがどのような場面で必要になるのか具体化すること」です。「●●な場面で▲▲(部署など)と接することが多いため」程度で良いのでイメージさせることができれば、一気にピントが合うようになります。同じ営業職であっても新規開拓が多い仕事と、ルート営業の仕事では下記のような違いがあります。

「営業職の若手」の

新規開拓が多い営業・・・初対面でも臆さず話しかけられるコミュニケーション能力が必要
● ルート営業の営業・・・同じお客様と根気強く誠実に向き合えるコミュニケーション能力が必要

どの職種、どの企業でも言われることだからこそ少しでも差別化することで、より理想に近い求職者に出会う可能性が高くなります。

社内の雰囲気を具体化する

採用活動で忘れてはならないのが、社内に目を向けることです。採用ターゲットが一緒に働く場所には、どんな人がいますか?そして、どんな人であれば溶け込めそうでしょうか。以下のように出来る限り同じような雰囲気の人を想定することで、入社後もスムーズに輪に加わることができ、活躍の場も増えるはずです。

「営業職の若手」の例

前向きで「くよくよせず次頑張ろう!」というタイプの人が多い
● 粘り強く「納得してもらえるまで努力しよう!」というタイプの人が多い

まとめ

採用ターゲットの具体化には「募集職種における最低条件」であるハード面だけでなく、「初対面でも臆せず話せる」などのソフト面を充実させることが必要不可欠です。
ソフト面とはその企業ならではの魅力です。どれだけ採用要件でマッチしていても、中身が風土に合わなければ活躍することは難しくなります。ぜひ「活躍できる人材」を具体的に想定し、採用活動に活かしていただければと思います。

そうは言っても自社で採用ターゲットを設定するのが難しい…という時には第三者の目を借りることも大切です。弊社R4では取材を通じて企業ごとの魅力を見つけ「採用ターゲットの具体化」からお手伝いが可能です。また、社内でも方向性が分かれていたり採用の軸が中々定まらない場合は当社ブランドマネージャーによる「採用ブランディング」ご提案できます。採用にお困りの方はぜひ一度お問合せください。

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毛利大一郎/株式会社R4  制作部 事業部長 ブランド・マネージャー 
愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学 第一文学部卒。クリエイティブ・ディレクターとして、求人広告やパンフレットの他、映像、ウェブサイトから社史、CI/VIにいたるまで、さまざまな企業広告・広報物の企画・制作を手がける。手がけた社数は愛知県・岐阜県の企業を中心に200社を超える。 また、これまでにインタビューをした人数は約2000人に及ぶ。◆その他著書:『仕事にやりがいを感じている人の働き方、考え方、生き方。』(幻冬舎)

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