R4ブランド戦略室コラム│第1回 理念の社内浸透を阻害する“現状維持の法則”

弊社R4のブランド戦略室による『人が集まる「ブランド思考」』のコラムをスタートすることになりました。
企業に人が集まり、価値が伝わり、事業が育つ。そのカギとなる「ブランディング」や「理念の力」について、毎回さまざまな視点からお届けしてまいります。

人が集まる「ブランド思考」 第1回 「社員に変化を受け入れてもらうには、何を提示すればいい?」

株式会社R4ブランド戦略室 室長 毛利大一郎

随分と暖かくなってきましたね。
とはいえ、まだ花粉が飛散しているようです。
私も鼻のムズムズがなかなか治まらず先日、耳鼻科に行ってきました。
スギやヒノキのピークは過ぎたはずなのに……
まだまだ油断できないようです。

その時、初めて「マイナ保険証」を持参しました。
従来の健康保険証は2024年12月に廃止されましたが、
経過期間として2025年12月までは使用できるとのことで
最近まで馴染みの健康保険証を持参していました。

理由は単純で「今のままで問題ないんだったら別にいいじゃん、
その時になれば切り替えればいいや」と思っていたんです。

人間の心理には、変化よりも現状を維持することを
無意識に選択してしまう傾向があります。
これを『現状維持バイアス』と呼びます。

初めてのことをやろうとしたり、
覚えたりすることは新たな負担・努力が必要になるし、
慣れるまでに時間もかかる。
変化に抵抗を感じて「今のままでいいじゃん」となる。
まさに私は、この心理状態にあったわけです。

『現状維持の法則』は組織にも当てはまります。
何らかの組織変革を起こそうとする時に、多くの社員が抵抗を示すのです。

たしかに、今のままでも日々問題なく仕事ができて給料がもらえていれば、
新しいことを受け入れることに抵抗を感じるかもしれません。
しかし、それでも会社として組織を変えるべきタイミングはやってきます。

理念の社内浸透などのインナーブランディングを推進する際は、
『現状維持の法則』が働きやすいです。
これまでになかった新しい価値観や考え方が、
ある日突然「これからはこれを大切にしよう」
「みんなで実践していこう」と発表されると、
社員の多くは「急にそんなことを言われても……」
と抵抗を示すのが普通です。

そこで、今回はインナーブランディングを進める際に
社員を『現状維持の法則』から解放する最も効果的な手段をお伝えします。

それは「期待感・高揚感」を高めること。
端的に言うと「社員をワクワクさせる」のです。

有効な施策として、ポジティブな未来を提示することが挙げられます。
例えば理念の社内浸透を推進したい場合、
「みんなで理念を体現すれば、こんなにステキな未来が待っているんだよ」
という未来像を見せるのです。

それは、できるだけ具体的のほうが良いですし、
可能ならば「絵」や「映像」でビジュアル化するといいでしょう。

私が理念の社内浸透を支援している建築会社様では
「こんな未来をつくりたい」という理想の景色をイラストで制作されました。

その会社様が中心にある街の風景で、
数々の建築物が立ち並ぶ中、
社員の皆さんがイキイキと仕事をしたり、
地域の人々と笑顔でコミュニケーションを取ったりしている様子が描かれています。

結果、社員の皆さんにも「会社が目指したい未来」が伝わり、
理念の社内浸透を推進する要因にもなりました。

今では名刺、パンフレット、ホームページなど
様々なツールでこのイラストが使用されています。

『現状維持の法則』は知らず知らずのうちに組織に蔓延し、
放っておくと「変えたほうがいい」と思ったことでも
安易に口にできない硬直化した状況になります。

そうした事態を避けるためにも、
ワクワクする未来像を提示して、
変革を進めるのは経営者の仕事です。

私が「マイナ保険証」に替えて驚いたのは、
受付が便利でスムーズに進んだことです。
変化することで得られるものはあります。
変化を受け入れるだけでなく、
自ら変化を生み出せる組織を創っていきましょう。

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