R4ブランド戦略室コラム│第2回『良い理念がある』だけでは意味がない

お世話になっております。株式会社R4です。
株式会社R4のブランド戦略室によるメールマガジン『人が集まる「ブランド思考」』をお送りいたします。

企業に人が集まり、価値が伝わり、事業が育つ。
そのカギとなる「ブランディング」や「理念の力」について、毎回さまざまな視点からお届けしてまいります。

人が集まる「ブランド思考」 第2回「『良い理念がある』だけでは意味がない」

株式会社R4ブランド戦略室 室長 毛利大一郎

昨年の話です。私の友人がバイオリンを購入しました。
初心者用の安いものらしいですが、
「これから老後へ向かってバイオリンを極めます!」と
威勢の良いLINEも送られてきました。

先日、その友人と久しぶりに会った際に
「バイオリンの調子はどう?」と聞いてみました。
友人からは「いやぁ、まだ触ってないんだよね、
時間がなくて」との返答。

それを聞いて「せっかく買ったのにもったいないなあ」と
思いました。

そんな私も他人のことは言えません。
以前、自宅でカクテルをつくるセットを購入したのですが、
あれから数年・・・箱から一度も出していません。
買ったときは、やる気満々だったのですが・・・。

手元にあるのに使わない。
これと同じことが会社の理念にも当てはまります。

「昔から企業理念はあるけどお飾りになってしまっている」
「一応、経営理念はあるけど誰も意識していない」。
そんな声を耳にする機会があります。
いわゆる「絵に描いた餅」になってしまっている状態です。

特によく耳にするのは
「経営理念をつくっただけで満足しちゃって、
その後、何もしていない」といった声です。

確かに、理念の策定には時間と労力を要します。
できた瞬間は満足感と達成感に包まれることでしょう。
ただ、策定することがゴールになってしまうと、
その先に進んでいけません。

言うまでもなく、会社の理念は
掲げること、つくることが目的ではありません。
目的は、経営に活かしていくことです。

「新しい理念ができました。
まずは何から始めればいいですか?」と
ご相談をいただくことがあります。

多くの方がホームページやパンフレットの更新など、
外側へのアピールを意識します。
それはとても大事なことですが、
まずは社内に意識を向けるべきだと考えます。

なぜならば、社員一人一人こそ
理念を体現・実践していく主体者であり、
「あの会社の人はいつも***でいいね!」と
外側へアピールし、評価される存在でもあるからです。

ホームページやパンフレットよりも、
社員が触れる機会が多いツールに
目を向けたほうがいいでしょう。

たとえば、社内掲示用のポスター、
携帯用のクレドブックやカード、
ブランドブック、ブランドムービーなどが
それにあたります。

ただ、ツールに関しても「作って終わり」ではなく
「どう活かすか?」が肝心です。
例えば、私が理念の社内浸透をお手伝いしている会社様では、
全社員がブランドブックを朝礼に持参し、
一人ひとり「バリュー」の体現事例を発表する
機会を設けています。

また1on1の面談で上司と部下が
目標設定や振り返りを行う際にも活用しています。
少しずつ社員が理念に共感し、
体現できるようになってきました。

また、スターバックスでは、従業員にミッションやバリューが書かれた
「グリーンエプロンブック」を配っています。
従業員はこれを行動規範として活用します。

ミッションやバリューを体現した仲間に
「グリーンエプロンカード」というカードを
送り合う習慣もあります。

カードを送り合い、理念の体現イメージを共有することで、
従業員一人一人が「スターバックスらしさ」を
自発的に行動に移しています。

まさにこれが理念の体現であり、
従業員一人一人の行動が
スターバックスブランドを支えているのです。

あなたの会社はいかがでしょうか。
もし、理念が形骸化しているのならば、
まずは社内に展開することをお勧めします。

私のカクテルセットのように
「そのうちに……」と思っていたら、
いつまで経っても実行されないのが理念活動です。
理念にもとづいた実践行動こそ、ブランディングの基礎。
ぜひ実践してみてはいかがでしょうか?

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