【最低賃金引き上げ】企業への影響は?見直すべき3つのポイント

【最低賃金引き上げ】企業への影響は?見直すべき3つのポイント

2024年10月から全国的に最低賃金が引き上げられ、多くの企業で人件費や採用活動への影響が広がっています。
今回の改定では、過去最大級の引き上げ幅となる地域もあり、とくに中小企業では経営への負担感が強いといえるでしょう。
本記事では、2024年10月の最低賃金改定内容を踏まえ、企業規模別の影響や課題を整理するとともに、中小企業が今見直すべき3つのポイントを具体的に解説します。

\最低賃金引き上げへの対応や採用戦略の見直しにお悩みではありませんか?/

2025年最新】10月からの最低賃金引き上げ

2025年度(令和7年度)の最低賃金は、全国平均で1,121円となる見通しです。前年度より66円の引き上げとなり、過去最大の上昇幅となります。

例年は10月初旬に改定が発効しますが、今回は「地域の実情に合わせて柔軟に発効日を設定することが望ましい」とされており、2025年10月1日から2026年3月31日までの間に順次適用される予定です。

2025年度 最低賃金の変化は?

令和7年7月11日に厚生労働省の中央最低賃金審議会が行われ、2025年度(令和7年度)の最低賃金について全国加重平均で+63円を目安に引き上げるよう答申されました。各都道府県の改訂額を反映した最新の最低賃金額をお伝えしま […]


都道府県最低賃金額引き上げ額
東京都1,22663
神奈川県1,22563
大阪府1,17763
埼玉県1,14163
千葉県1,14064
愛知県1,14063
京都府1,12264
兵庫県1,11664
静岡県1,09763
三重県1,08764
広島県1,08565
滋賀県1,08063
北海道1,07565
茨城県1,07469
栃木県1,06864
岐阜県1,06564
群馬県1,06378
富山県1,062 64
長野県1,06163
福岡県1,05765
石川県1,05470
福井県1,05369
山梨県1,05264
奈良県1,05165
新潟県1,05065
岡山県1,04765
徳島県1,04666
和歌山県1,04565
山口県1,04364
宮城県1,03865
香川県1,03666
大分県1,03581
熊本県1,03482
福島県1,03378
島根県1,03371
愛媛県1,03377
山形県1,032 77
岩手県1,031 79
秋田県1,03180
長崎県1,03178
鳥取県1,03073
佐賀県1,030 74
青森県1,02976
鹿児島県1,02673
高知県1,023 71
宮崎県1,02371
沖縄県1,02371

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最低賃金の引き上げによる企業への影響は?

ここからは、最低賃金の引き上げによる企業への影響を、大企業・中小企業それぞれ解説します。

大企業への影響

最低賃金引き上げが大企業に及ぼす企業への影響は、単なるコスト増にとどまらず、成長機会を生み出す可能性も秘めているといえるでしょう。

多くの大手企業では、労務コスト上昇を契機に生産性向上や業務効率化を進める動きが加速しています。
AI・ロボティクス導入やデジタル化投資によって、省人化と品質維持を両立させる取り組みが広がっており、結果的に競争力強化につながるケースも少なくありません。

また、高い賃金水準を維持できることは、優秀な人材確保や離職防止にも寄与します。
その一方で、下請け企業や取引先へのコスト転嫁要請が発生するなど、サプライチェーン全体に波及する企業への影響も見逃せません。

今後は、人件費管理だけでなく、付加価値創出を重視した経営戦略が求められます。

中小企業への影

最低賃金の引き上げによる企業への影響はさまざまですが、その中でも打撃を受けやすいのが中小企業です。
飲食店や小売業など「人手によるサービス提供」が中心の産業では、人件費の割合が高い業種では、最低賃金の上昇がそのまま経営コストの増加につながり、利益構造や雇用戦略の見直しを迫られています。

中小企業はまず、人件費の上昇による利益率の圧迫という課題に直面しています。
販売価格へ転嫁できればよいものの、取引先との力関係や市場競争の厳しさから価格改定が難しいケースも少なくありません。
その結果、経営者自身の報酬削減や投資抑制といった内部調整を余儀なくされることがあります。

また、中小企業は採用・人材確保の難化にも苦しんでいます。
最低賃金が上がっても、大手企業はさらに高い時給や福利厚生で人材獲得を進めており、中小企業は求人広告を出しても応募数が伸びない状況です。
採用単価が上昇する一方で、生産性向上策が追いつかず、人手不足が慢性化する傾向にあります。

さらに、中小企業は業務効率化やデジタル化への対応遅れという課題も抱えています。
人件費増加分を吸収するためには、業務プロセスの見直しやITツール導入などによる生産性向上が不可欠です。
しかし、初期投資負担やノウハウ不足から導入が進まないケースも少なくありません。

このように、中小企業は「コスト増」「採用難」「生産性停滞」という三重苦に直面する可能性があるでしょう。
そのため今後は単なるコスト削減ではなく、従業員満足度の向上や働き方改革、生産性改善への投資といった中長期的な経営戦略へと転換することが求められます。

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最低賃金引き上げで企業が見直すべき3つのポイント

ここからは最低賃金の引き上げで企業が見直すべき3つのポイントを紹介します。

求人条件の見直し

まずは基本となる給与条件を最新の地域別最低賃金に合わせて修正しましょう。
「気づかないうちに求人情報の時給が最低賃金を下回っていた」という状況は、求人掲載停止やブランド毀損につながる恐れがあります。

また、単に時給額を調整するだけでなく、フレックスタイム制度やリモートワーク導入など働き方の柔軟性を打ち出すことも重要です。
ワークライフバランス改善策や福利厚生の充実を積極的にアピールすれば、応募者の関心を高められます。

さらに、若手や女性社員の活躍事例、快適なオフィス環境など自社の魅力を具体的に伝えることで、大手との差別化にもつながるでしょう。

福利厚生で企業の魅力を高める具体例とメリットをわかりやすく紹介

本記事では、福利厚生について企業向けにわかりやすく解説しています。企業が提供する福利厚生の種類や目的を具体的に説明し、従業員満足度の向上や採用力強化に役立つ情報を紹介します。福利厚生について詳しく知りたい企業に向けた内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。

ワークライフバランスとは?選ばれる企業になるための企業運営には必須!|人事なら知っておきたい

ワーク・ライフ・バランスは、働き方改革の推進やライフスタイルの多様化はもちろん、withコロナ/afterコロナに伴う働き方の変容により、企業運営における重要性は高まり続けています。ワーク・ライフ・バランスの定義を改めて確認し、企業が取り組むメリットについてご説明していきます。

採用媒体の最適化

最低賃金の引き上げは、人件費だけでなく採用コストにも影響を及ぼします。
応募単価が上昇する中、今後は「効率性」を意識した採用媒体の選定が欠かせません。

たとえば、低単価アルバイトやパート採用では競合が増える傾向にあり、Airワークなど幅広く露出できる媒体を活用するのが効果的です。
一方で、専門職や中途採用では、給与水準と職務条件のバランスを整えつつ、ビズリーチなど精度の高い媒体を利用して母集団形成を図るほうが効率的。

とくに中小企業にとっては、限られた予算で成果を最大化する戦略が重要です。採用データを分析し、応募経路ごとの費用対効果を可視化することで、無駄な出稿を減らし、持続的な人材確保につなげましょう。

Airワーク 採用管理2.0の料金・特徴

Airワーク 採用管理(バージョン2.0)の料金プランやサービス特徴の情報のページです。通常のAirワーク 採用管理が2024年1月30日にバージョンアップ。Indeed PLUSを通して最適な求人サイトに配信されることで多くの求職者にリーチが可能となります。

【企業側】ビズリーチ(BizReach)の料金形態とは?特長やメリットも詳しく解説!

ビズリーチ(BIZREACH)の料金形態を企業向けに詳しく解説します。特徴やメリット、スカウト機能についても丁寧に紹介しているため、ビズリーチ導入を検討している企業の採用担当者の方はぜひお読みください。

応募者体験の改善

次に重要なのが、応募から面接までのスピード感や担当者の対応品質といった応募者体験です。
応募後すぐに連絡を取る、面接日程を柔軟に調整するなど、小さな工夫が応募者の印象を大きく左右します。

最低賃金の引き上げにより、求職者はより多くの選択肢を持つようになりました。
一方で、企業間の給与条件が横並びになりやすく、今後は「条件以外でどう差別化するか」が採用成功のカギとなります。

こうした“体験価値”を高めることで、面接辞退率の低下や内定承諾率の向上につながり、結果的に採用コストの抑制にも効果を発揮します。
中小企業こそ、給与以外で選ばれる仕組みづくりが求められる時代です。

【26年新卒】 ここから学生接点を増やすポイントと早期選考に向けて

11月に入ってから、「昨年度よりもエントリー数が少なく、想定以上にインターンシップ参加数が少ない。エントリー者の中にはすでに内定を持っている学生もいるのに、自社はこのままで大丈夫なのか、、、」という不安の声を聞くことが増えました。 今回は26年卒インターンシップ期での母集団を増やす最後の手段と、早期選考を進めるにあたってのポイントについてお伝えします。

\貴社の採用フローを分析し、面接辞退率の低下や内定承諾率向上につながる改善策をご提案します。/

【最低賃金引上げ】よくある質問

最低賃金引き上げはパートやアルバイトも対象?

最低賃金の引き上げは、正社員だけでなくパートやアルバイトなどすべての労働者が対象です。
雇用形態に関係なく、最低賃金法で定められた時間あたりの賃金を下回ってはいけません。

とくに中小企業では、短時間勤務やシフト制スタッフが多いため、改定後の時給設定を見直さないと「気づかないうちに最低賃金を下回っていた」というケースも起こり得ます。
これは法令違反となり、是正勧告や未払い賃金の支払い命令を受ける可能性があります。また、地域によって最低賃金額が異なるため、複数拠点を持つ企業は各都道府県ごとの改定額を確認することが重要です。
最低賃金引き上げへの対応は単なるコスト調整ではなく、従業員の安心感や企業イメージ向上にもつながります。
法令遵守と働きやすい環境づくりを両立させることが、今後の採用力強化にも直結するといっても過言ではありません。

最低賃金を上げると企業にとってどんなメリットがある?

最低賃金の引き上げは一見するとコスト増に感じられますが、企業にとってもメリットがあります。
まず、賃金水準を上げることで従業員のモチベーションや定着率が向上し、結果的に生産性を上げることが可能です。
給与への満足度が高まることで離職率が下がり、採用・教育コストの削減にも効果があります。

また、地域平均より高い賃金を提示できれば、求人市場での競争力も強化されます。
とくに中小企業では「給与条件で選ばれる」ことが増え、優秀な人材確保につながる可能性も。

さらに、公正な待遇を実現することで企業イメージやブランド価値の向上にも寄与します。
厚生労働省も「働き方改革」の一環として適正な賃金支払いを推奨しており、社会的信用の向上は取引先や顧客からの信頼にもつながるでしょう。
最低賃金引き上げは単なる義務ではなく、「人材投資」として捉えることが今後の成長戦略に欠かせません。

地域ごとの最低賃金の差はどう確認する?

地域ごとの最低賃金の差は、厚生労働省の「地域別最低賃金一覧」ページで最新情報を確認できます。
各都道府県労働局やハローワークでも掲示・案内されているため、確認してみましょう。
中小企業の場合、複数拠点を持つ場合にはそれぞれの所在地で異なる最低賃金が適用されるため注意が必要です。
自社の事業所がある地域の改定額を定期的にチェックし、給与設定や求人票の内容を最新基準に合わせておくことで、法令遵守とトラブル防止につながります。

最低賃金を守らない会社はどうなるのか?

最低賃金を守らない会社は、法律上の罰則や行政指導の対象となります。
最低賃金法第4条では「使用者は、労働者に対して地域別最低賃金以上の賃金を支払わなければならない」と定められており、これに違反した場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります(※最低賃金法第40条)。

また、厚生労働省や労働基準監督署による調査で違反が確認されると、是正勧告が行われ、未払い分の賃金を遡って支払う義務が発生します。
悪質なケースでは企業名が公表されることもあり、社会的信用の失墜につながる場合も。

特に中小企業では、「気づかないうちに時給が地域別最低賃金を下回っていた」というケースも少なくありません。
求人票や給与テーブルを定期的に見直し、最新の地域別最低賃金(厚生労働省公式サイト)を確認することが重要です。
法令遵守は従業員との信頼関係を築き、企業ブランドを守る第一歩です。

知らぬ間に法令違反?知っておくべき最低賃金について

最低賃金の基本的なポイントからはじまり、計算方法、違反してしまった場合のリスクまで徹底解説していきます。

\最低賃金引き上げへの対応や採用戦略の見直しにお悩みではありませんか?/

まとめ

最低賃金の引き上げは、企業にとって人件費増加だけでなく、採用や経営全体に広く影響を及ぼす重要なテーマです。
とくに中小企業では、利益率の圧迫や人材確保の難化など課題が顕在化しています。
一方で、この変化は自社の採用力や働き方を見直す好機ともいえるでしょう。

まずは最新の地域別最低賃金を確認し、給与条件や求人内容を適正化することが第一歩です。
そのうえで、採用媒体の最適化応募者体験の改善など、“条件以外で選ばれる仕組みづくり”を進めることが求められます。

法令遵守と従業員満足度向上を両立させることで、企業ブランド価値を高めることが可能です。
最低賃金引き上げ時代を「コスト増」ではなく「成長への転換点」と捉え、持続的な経営戦略へとつなげていきましょう。

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