株式会社朝日コネクト 様|経営者・人事インタビュー
数ある採用支援会社の中から、なぜR4が選ばれるのか。その理由を、企業の人事・採用ご担当者様へのインタビューを通じて明らかにしていくシリーズです。今回のゲストは、朝日新聞グループの総合プロモーション戦略カンパニーである、株式会社朝日コネクトの名古屋支社 営業本部 本部長・土井 千弘様。グループの再編に伴い、大幅な組織強化が必要になったものの、直近の採用活動は10年前。「浦島太郎の気分だった」という採用活動を経て、系列企業から羨ましがられるほどの “異能人材” と出会えたのは、どんな戦略が功を奏してのことだったのでしょうか。
インタビュアー/R4サービスサイト編集部 専属ライター
企業について
法人名:株式会社朝日コネクト (朝日新聞グループ)
本社:東京都中央区
従業員数:266名 (2024年10月 時点)
公式Webサイト:https://asahiconnect.com/
※本記事は、2025年4月16日 時点の取材に基づくものです
組織を変えるのは、まだここに居ない人

きっかけは、全国組織への大規模再編
―本日はお時間ありがとうございます。R4が貴社の採用のお手伝いに、初めて入らせていただいた頃に遡ってお話を伺えればと思いますが、当時は今とは別の法人様だった…という認識でよろしいでしょうか。
そうですね。R4さんとのお付き合いは2023年からだったと思いますが、その頃は『株式会社朝日オリコミ名古屋』という名前でした。その後2024年10月に組織再編がありまして、同じ朝日新聞グループ内で、親会社である東京の『株式会社朝日オリコミ』および、兄弟会社である福岡の『朝日オリコミ西部株式会社』と一つになり、『株式会社朝日コネクト』という名のもとで新たなスタートを切った形です。
――ありがとうございます。社名につきましても、オリコミという象徴的な商品を冠したお名前から、つながりを意味するコネクトに変わられたんですね。貴社の事業内容自体にも、何か変化が訪れているのでしょうか。
事業内容という点では、そこまで大きな変化は無いんですよ。新聞折込広告以外のサービスも、以前から取り扱いがありましたからね。ただコロナ禍を経て、人々の生活様式や社会のあり方が大きく変わり、当社のお客様のニーズも多様化が進みました。そこに合わせて、より多彩なプロモーション手法を提案できる会社だとアピールしたい、という意図はあったかと思います。
――折込広告以外ですと、例えばどんなご提案をされるんでしょう。
お客様の業態や、商材のターゲット層によってさまざまですが、例えば当社は、市内の有名商業施設内にある、イベントスペースの利用交渉権なども保有しています。出展の取次ぎだけでも可能ですし、ご要望に応じて、通りがかりの方に足を止めていただくためのブース装飾や、配布物の制作などにも対応できます。ですから例えば、広報活動は折込広告ぐらいしか試したことがない…というお客様が、次の一手を試したいとお考えの際も、スムーズなお手伝いができるんです。
――そういった強みをお持ちなんですね。今はコミュニケーションのあり方が目まぐるしく変わっていく時代ですし、何が最新か・どんな手法が最適か迷われているお客様にとっては、心強いかと思います。
「今はこんなやり方があるんだね」と、驚きつつも喜んでくださるお客様が多いです。過去の事例ですと、新たに開業するフィットネスジムの会員募集のために、AR (拡張現実) 体験ができるよう、データ制作と展示をご用意したこともあります。今ここに無いものを視覚化できる、新鮮な広報活動になったのではないでしょうか。

10年ぶりの採用に、「R4さんを頼るといいよ」と…
――今ほどお話しいただきました、顧客ニーズの多様化という市場変化が起きていたところへ、グループ内の組織再編も生じ、採用の強化が必要だったという理解でよろしいでしょうか。
おっしゃる通りです。朝日コネクトという、これまでよりひと回り大きな器に集まって、事業を大きくしていこうと。そのために急ピッチで増員を進める必要があったんですが、実は、本格的な採用活動をするのは10年ぶりだったんです。
――10年ぶり、ですか…!
そうなんです。さて、採用ってどうすればいいんだっけなと、浦島太郎のような状態でした。迷っていても仕方がないので、当時の社長が、同じビルに入っている朝日新聞グループ内の会社に聞いて回ったんです。そんな中で、株式会社 ASC (旧 株式会社朝日サポートセンター) の中野さん (※) が「それなら、R4さんを頼るといいよ」と教えてくれまして。
(※ 中野様へのインタビューは、こちらよりご覧いただけます https://service.r-4.co.jp/case/interview/asahi-sc/)
――中野様にも以前、インタビューにご協力いただいておりまして、嬉しいお言葉を頂戴しております。
すごく褒めていたでしょう?中野さんから「R4さんに頼むと、反響 (応募) も獲れるし、長く頑張ってくれる優秀な人と出会えるよ」と聞いて、ご連絡を差し上げたんです。
――ありがとうございます。朝日コネクト様では最終的に、R4の支援から何名が入社に至りましたか。
営業職4名と、営業事務職2名、計6名です。これはすごいインパクトですよ。名古屋支社の従業員数がおよそ50名なので、12%くらいに相当します。
――営業職の方が4名増となると、売上規模も変わりそうですね。元々、そのくらいの増員目標を掲げていらしたんでしょうか。
実は、営業職の増員は最大でも3名までの予定だったんです。ところが、3名に内定を出した直後、この方にもぜひご活躍いただきたい!と思えるような方から応募がありまして…。
――なるほど!それで急遽、4人目のご入社が決まったんですね。
そうなんです。4名それぞれに強みがあり、非常に将来性を感じています。

人員充足以上の期待を持てる “異能人材” が次々と…
――4人目の方を含め、営業職の皆さんのご採用について、詳細をお伺いできますでしょうか。
はい。今回の採用の要件 (必須条件) は、普通免許をお持ちであることと、積極的にコミュニケーションを取る意志があることという2点に絞っていました。ですが、実際に募集を掛けてみると、広告業界経験者や営業職経験者からのエントリーも複数ありました。初めに内定を出した3名についても、2名は営業職経験者だったんです。残る1名も広告系の経験者ではないものの、販促の観点からサイト解析や広告出稿に携わっていたほか、SEとしての実務経験も有する方でした。専門性の高い方々を迎えることができて、今回の採用は大成功だと浮かれていましたし、ちょうどその頃に広告予算の費消も完了していました。
――募集活動の終了間際に、もう1件応募があり、そのまま採用に繋がっていたんですね。
「充足したので打ち止めなんです」とご連絡しようと思ったのですが、書類を拝見すると、広告会社での営業経験をお持ちでした。一度お会いしてみよう、と面接の段取りを組み、実際にお話ししてみたところ、ご経験を活かしてすぐにでも活躍していただける方だと感じました。私たちの事業を強力に推進してくれる、そんな期待を感じました。
――そんなドラマがおありだったんですね。
ええ。それぞれに強みを持つこの4名が揃って入社してくれれば、必ずや社内が活気づくだろうと感じました。
――営業経験者さんにエンジニア経験者さんという、専門スキル保持者が一気に入社されれば、折込広告以外の領域の強化に繋がるでしょうね。お客様へのご提案にも説得力が出るでしょうし、貴社の既存社員の皆様にとっても大きな刺激になりそうですね。
そうなんですよ。それぞれに異なるバックグラウンドを持つ、スペシャリストたちと出会えたんです。いま流行りの言葉で言えば、“異能人材” になるんですかね。未来が楽しみになる採用が叶いました。

前例が無くたって、挑戦させてあげたい
――その後、いかがでしょう。新たに入社した方のご活躍度合い、というところでは。
今は4名とも、営業活動の基本や、新聞折込広告の取り扱いについて学んでいるところです。弊社の営業職は、年間での波を体感するところから学ぶ必要があるため、一人立ちまでに少し時間を要するんです。さまざまな業種のお客様とお取引がある分、この会社様の商機はいつで、その時どんな施策を取ってきたかということを、1年を通じて体験する必要があるものですから。
――それですと、今は「2周目」を経験されているタイミングですね。
まさに、ですね。ただ、それと同時並行で急速に伸びているのが、新聞折込広告以外の手法を扱うチカラです。実は、弊社の新たな挑戦として受注したお仕事がありまして…。それがこの、『名古屋市発達障害啓発プロジェクト2025』の中で展開されている、スマホを使った『発達障害Quizスタンプラリー (※)』の制作と、SNSアカウント運用による広報活動の受託です。この業務のコアメンバーになってくれているのが、今回採用したうちの2名なんです。
(※ 名古屋市発達障害啓発プロジェクト2025 – Quizスタンプラリー https://autismawareness.nagoya.city.nagoya.jp/stamp-rally/)
――名古屋市の事業のお手伝い、ということでしょうか。
そうですね。これは、名古屋市子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課 さんの取り組みで、2025年度で3回目を迎えるものになります。“ひとりも取り残さない社会の実現をめざして” という趣旨に賛同する企業が、スポンサーとしてプロジェクトに参加していまして、弊社がその一員として加わったんです。今回採用したうちの一人のメンバーが「是非やりたい」と言ってくれまして。
――積極的な提案、素敵ですね!
嬉しかったですね。彼の想いとして聞けたのは、競合との差別化に繋がる、明確な実績を作りたいということでした。プロジェクトの存在は業界の知り合いから教えてもらったそうなんですが、詳細をリサーチし、そこへ自社が介在するとしたら、どのくらいのコストでどんな価値を発揮できるかまで試算してくれていました。その時点でもう本気度と言いますか、熱意を感じますよね。その上で、社会貢献性が高い企画だし、朝日新聞グループの方向性や、“顧客企業、地域社会のあらゆる課題に向き合い、新たな成功に結び付ける” という、自社のパーパス (組織の本質的な目的・存在価値) とも共鳴する部分があるだろうから、是非とも参画したいと提案してくれたんです。
――それは、チャレンジさせてあげたくなりますね。
何としてでもやらせてあげたいと思って、上長の承認を取り、ゴーを掛けました。途中、不測の事態が起きたとしても、私が責任を取ればいいかなという気持ちで…。
――メンバーの皆さんにとっては、頼もしい環境だったのではと思います。
そうであれば有難いですね。現状トラブルらしいことは起きていませんし、むしろポジティブな変化の連続でした。営業経験者の彼が旗振り役を務め、デジタルスタンプラリーの仕組みは、例のSE経験者が開発。他の2名は既存メンバーと一緒に、企画書づくりや更なる協賛企業探しに取り組んでくれるなど、一致団結して、社内に新しい風を吹かせてくれました。結果的には4名のオンボーディング (組織への順応促進) としても機能してくれたと感じています。

期待の新人は、社内の話題を独占
――今ほど、オンボーディングというキーワードも出てまいりましたが、新入社員の受入れに関しては試行錯誤されている企業様は多いかと思います。そこに関して、貴社では何か、特別な研修プログラムを組むなどの工夫をされているのでしょうか。
現状としては、先輩同行を中心としたOJTと、新人日報によるコミュニケーションが中心ですね。正直、そこまで特別な内容ではないと思います。週ごとに異なる先輩に付いていって、移動の営業車で喋りながら一緒にお昼を取って、1日の終わりには、その日お伺いしたお客様先での会話と、それに対する意見や感想を日報に記録してもらっています。その日報を部長クラスや私が確認しまして、いい提案があれば、具体的な商談や、社内での行動に移せるよう助言したり、気になる部分があれば、ちょっと先輩営業職に根回ししたり…。例えば先日も、SE経験のあるメンバーから、なかなか鋭い提案が上がってきまして。「今日お伺いした会社のコーポレートサイトを帰社後に確認したら挙動が遅いから、こういう提案を進めた方がいいんじゃないか」、とかね。
――すぐにでも営業活動へ展開できそうな内容ですね。
そうなんです。それで、「こういう提案が新人から上がってきてね…」という話を、私が本社での打ち合わせの際に共有したところ、合併前の東京・福岡からも、おおっという感嘆の声が上がりました。そこから噂が広まって、「名古屋の新人がすごいらしいぞ」という共通認識が社内に生まれつつあります。
――貴社内でも評判になっているんですね!新入社員の方が、臆することなく自身の意見を伝えられているのは、心理的安全性を感じながら働けていることの証とも言えそうな気がします。そういった部分では何か、準備に力を入れられていたのでしょうか。
力は確かに入っていましたね。先程も申し上げました通り、何せ10年ぶりの採用活動でしたから、すぐに使えるような研修資料がほとんど無かったんです。しかも組織再編の真っ只中でもあったので、普段そういった業務を担ってくれている管理部も手薄になっていて…。取り急ぎ、最初の1週間のスケジュール立てや、会社説明用のスライドづくりを自ら進めました。
――プレゼン資料の制作も担当されたんですね!あれは、重労働ですよね。
慣れない人間が作業すると、どんどん時間を取られてしまうなと感じました。でも、どうせ自分が作るのならと、こだわれた部分もあります。現体制になる前の、『株式会社朝日オリコミ名古屋』のルーツや、単体での歴史・売上推移・競合情報なども入れ込んだんです。全社的に使えるよう整えた資料では、こうした部分までは触れられないでしょうから、結果的には良かったなと思います。…ただ、振り返るとやっぱり、ものすごく大変だったなという記憶の方が、先に呼び起こされちゃいますね。

書類選考の委託で、多忙な時期の採用もストレスフリーに
――研修準備よりも前の段階では、どんなご苦労がおありでしたでしょうか。
改めて振り返ってみますと、それ以前のフェーズでは特段困りませんでしたね。履歴書・職務経歴書の読解と、面接の調整には少しパワーを要しましたが、書類選考はR4さんにお手伝いいただいていましたから。私の手元に情報が届く時点で、その応募者の方は採用の見込みが一定あるぞと判断できる状態だったので、魅力的な応募者の方への対応に集中できたんです。
――書類選考のお手伝いは、R4のアウトソーシング部門が入っていたと聞いています。お客様の、頼れる “社外人事部” となることをミッションとしている部門ですね。
非常に助かりましたと、改めてお伝えください。あの時は私自身も、日常業務に加えて採用業務が入ってきていたもので、本当に手一杯だったんです。
――お忙しい中、求人原稿の制作に関しても、取材のご調整や原稿確認・修正のご協力をいただいたかと思いますが…。
そこについても、負荷としては全く気にならないレベルでした。求人原稿も、取材を挟んでしっかり原案を作ってもらえたので、私たちの方で少しニュアンスを触る程度で公開できましたしね。その後の動向チェックを含む運用もお任せできましたから、ストレスフリーでスピーディー。それでいて、想定以上の反響を獲れたので満足しています。考えてみれば、応募書類の確認と面接調整が大変だと感じたのは、想定以上の応募数があったからかもしれませんね。こんなにたくさんの方がエントリーしてくださるなんて、思っていなかったんですよ。
――そうだったんですね。応募者の方へ対応される中で、皆さんがどんな部分に魅力を感じられたかなどは、ヒアリングされましたか?
はい。多かったのは、朝日新聞グループというブランドと安定性ですね。でも、R4さんの取材で拾ってもらったような、穏やかな社風だとか、ホワイトな働き方に惹かれた人も結構いたんじゃないかなと思うんです。
――何故、そのようにお考えなのでしょう。
ブランドと安定性を謳うだけで反響が獲れるなら、弊社の関連会社も全部、採用には困らないはずですよね。でも、苦しんでいる拠点はやっぱりあるんですよ。相談をうけたので、R4さんを紹介しておきました。そのうち連絡が行くかもしれないので、ぜひ助けてあげてください。

働き手不足の世相も、R4と一緒に
――改めて、今回の中途採用活動について、土井様に総括をいただけますでしょうか。
R4さんのお力添えのおかげで、非常に満足のいく結果が得られました。今、世の中は働き手不足で、採用は厳しいと言われているようですが、私としてはその厳しさを体感する場面がないまま、組織強化という目標を遂げつつあると感じています。
――採用活動に注力されている、多くの企業の人事担当者の方へアドバイスをされるとしたら、どんな観点を伝えられますでしょうか。
そう立派なことは言えませんが…。でも、選考の中で心掛けていたことをひとつ挙げるとしたら、採用する側と働く側が双方不幸にならないよう、認識をすり合わせる機会は大切にしていました。
――それは、具体的にはどのような工夫をされていたのでしょう。
面接の場で私の方から、弊社の営業職の仕事内容について、リアルなお話をさせていただきました。もっとも伝えたかったのは、キラキラした仕事ばかりじゃないよ、という点ですね。弊社の売上構成は今も、新聞折込広告が大きな比重を占めています。新聞折込はまだまだ反響を作れる・活用していきたいと言ってくださるお客様も多いですから、そういった従来の手法・媒体の有用性についても理解し、その上で新たな挑戦に取り組んでほしいということは、明確にお話ししていました。求人原稿にもニュアンスとしては入れてもらっていましたが、書いておいたから大丈夫だろうというスタンスではなく、自分の言葉で誠実に伝えようと思っていました。
――広告のお仕事と聞くと、華やかなイメージが先行しがちですよね。
入社してから「思っていたのと違った…」ということがあると、お互いにとって不幸ですよね。でもだからこそ、そういう対策を自分たちでできる、拠点ごとの中途採用ってすごくアリだなと、今回の増員で実感できました。今後、新卒採用については東京の本社が主管となりますが、拠点ごとの課題や成長計画を考慮して手を打つなら、即戦力に近い人材を狙う中途人材の獲得も、積極的に進めていきたいと思います。
――名古屋支社が、より強いチームになっていく未来が楽しみですね。
組織を大きく変えていくのは、まだここにいない、よそ者と呼ばれる人かもしれませんね。仕掛け時になったらまた、R4さんを頼らせてもらいますよ。
