R4ブランド戦略室コラム│第26回 採用ブランディングとTM設計の違いとは?

ブランディング

企業に人が集まり、価値が伝わり、事業が育つ。
そのカギとなる「ブランディング」や「理念の力」について、
毎回さまざまな視点からお届けしてまいります。

人が集まる「ブランド思考」 第26回  採用ブランディングとTM設計の違いとは?

株式会社R4ブランド戦略室 室長 毛利大一郎

先日、社内で「採用ブランディング」をテーマにした勉強会を開催しました。
その中で話題になったのが、
「採用ブランディングとTM設計(ターゲットとメッセージの設計)は
何が違うのか?」という点です。
同じ“採用を成功させるための活動”ではありますが、
目的もアプローチも大きく異なります。

TM設計は、求人広告などにおいて
「誰に」「何を」伝えるかを考えるプロセスです。
求める人物像を明確にし、その人に響くメッセージを設計することで
短期的に採用成果を上げることができます。
採用活動の“実行フェーズ”を支える仕組みであり、
スピードと成果を求められる局面において有効な手段です。

それに対して、採用ブランディングは、より“上流の考え方”と言えます。
自社の理念や価値観、文化をもとに
「どんな人に共感してもらいたいのか」
「この会社で働くことの意味は何か」を明確にし、
長期的に企業としての“採用の軸”をつくる取り組みです。
短期的な応募数の増減ではなく、
自社に定着し、自社らしさを体現しながら活躍を続ける人材、
共に未来を創造していく人材の獲得を目的としています。

採用ブランディングは、単なる見せ方の工夫ではありません。
企業が“らしさ”を失わずに採用を続けるための基盤づくりであり、
企業文化そのものを採用活動の中に反映する取り組みです。
そしてその力があってこそ、どのような採用環境であっても
「この会社で働きたい」と感じてもらえる動機を形成することができます。
見栄えの良い情報発信や一時的なキャンペーンよりも、
“自社の存在意義を丁寧に言語化すること”が、
長期的に強力な採用力を生み出します。

採用環境が年々変化するなかで、
「どんな人に出会い、どんな人と働きたいのか」
「どんな人と一緒に未来を築いていきたいのか」
を明確にできていない企業は、
採用活動がその時々の状況に流されやすくなります。
採用ブランディングは、その揺れをなくし、
企業としてブレない活動・発信を続けるための“指針”となります。
表面的な求人情報にとどまらず、根幹にある価値観を言葉にすることで、
企業の存在そのものを選んでもらう状態をつくり出すことができます。

短期的な施策で成果を上げることも、もちろん大切です。
しかし、真の採用力とは、どんな時代でも変わらずに
“自社を選んでもらえる理由”を持っていることです。
採用ブランディングは、
その理由をつくり、磨き続けるための活動なのです。

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