給与形態の理解と求人募集時の注意点
給与形態は、企業が従業員に給与を支払う際の基準や方法を指すもので、求職者が就業先を選ぶ際の重要なポイントとなります。
給与の形態にはさまざまなタイプがあり、それぞれ特長や適用される職種が異なります。ここでは、主な給与形態とその特徴を捉え、求人広告に掲載する際に注意すべき点を押さえていきましょう。
給与形態の種類
給与形態は、求職者が企業を選ぶ際の重要なポイントの一つです。給与形態の主な種類と求職者にとってのメリットデメリットを知り、自社の給与形態を正確に伝えることで、求める人材の応募を集めやすくなったり、採用後も良好な雇用関係を築くことができます。
月給制
月給制とは、毎月一定額を給与として支払う制度です。正社員として働く人のほとんどがこの形態で給与を受け取っています。
月給制の特徴としては、固定の勤務時間に対する基本給+福利厚生による各種手当により、求職者は安定した収入を得られる点にあります。
一方、残業時間が多くなると労働時間に対する実質の時給が下がるというデメリットもあります。
時給制
時給制は、労働した時間に応じて給与を支払う制度です。アルバイトやパートタイム等でよく取り入れられています。
特徴として、働いた時間がそのまま給与に反映されるため、短時間での高収入を求める求職者には魅力的です。
ただし、勤務時間数が不定期であると、収入も不安定になりがちです。
年俸制
年俸制は、年間を通じて受け取る給与額を事前に定める制度です。特に、経営層や専門職などの高収入層で導入されることが多いです。
年俸の中での業績に応じたボーナスなど、詳細な条件が設定されることもあります。
この制度の求職者にとってのメリットは、年間通しての収入がある程度見込める点です。
一方、成果を期待以上にあげたとしても直近の賞与金額は変わらず、給与への反映は翌年以降になってしまうというデメリットもあります。
日給制
日給制は、1日の労働に対して給与を支払う制度です。
雇用主が業務請負等で仕事を受託していて、それを元に各労働者の勤務時間をあらかじめ定めている仕事や、
日没により視界の確保が困難になる・騒音を伴うため周辺環境に影響を及ぼすといった物理的理由で残業が少なくなる外仕事等で導入されることが多いです。
1日の労働がそのまま収入として確定するため、求職者は短期集中での高収入を目指すことができます。
週給制
週給制は、1週間の労働に対して給与を支払う形態です。一部の業界や職種で採用されることがあります。
1週間の生活サイクルに対して支払われるという点で月給制に近しいと言えるでしょう。
特徴として、求職者は短期間での収入を確実に得られる点や、週単位での労働計画が立てやすい点が挙げられます。
業務単位
「レッスン単位」「コマ単位」といった業務単位で給与が支給される形態です。「1勤務制」という言い方をすることもあります。
延長があるスポーツイベント等当日の現場状況によって実働時間が変動する仕事や、習い事や塾の授業等の仕事で取り入れられていることが多いです。
完全出来高制
従業員の労働成果に応じて給与を支払う形態を指します。具体的には、完成した製品の数や達成した業務の量に基づいて給与が決まる制度です。
この制度の求職者のメリットとしては、自らの努力や成果に直接給与が反映されるため、高いモチベーションを保てる点が挙げられます。
一方、デメリットとしては、業務量が一定でない場合、収入が不安定になる可能性があることです。
製造業やデータ入力の仕事など、作業の成果が明確に数値化できる職種で採用されることが多いです。
完全歩合制
販売や契約などの成果に基づき、その成果に応じた報酬を支払う給与形態です。例として、不動産業や保険業などのセールス職でこの給与形態が採用されることが多いです。
完全歩合制の求職者のメリットは、自身の努力やスキルによって稼げる収入に上限がない点にあり、実力次第で高収入を得ることが可能となります。
一方、デメリットとしては、成果が出ない場合の収入が非常に低くなる可能性があり、収入の不安定性を感じることがある点が挙げられます。
求人広告での給与形態を記載するときの注意点
求人広告は、企業と求職者との最初の接点となる大切な情報源ですが、中でも給与に関する情報は、求職者の関心を引くポイントとなります。
適切な給与情報の提示は、信頼の構築や応募者数の増加に繋がります。逆に不適切な記載は、企業イメージの低下や求職者とのトラブルの原因となる可能性があります。
以下は、求人広告に給与形態を記載する際の注意点をまとめたものです。
明確な表記を心掛ける
給与の金額や計算方法は、可能な限り明確に記載することが望ましいです。
例えば「月給25万円以上」というような表記は、具体的な最低額を示すことで求職者の期待とのギャップを防ぐことができます。
また「給与は経験に応じて…」など、曖昧な表現は求職者の不安や疑問を生む原因となるため避けるべきです。
計算方法が複雑な場合や、業務単位の給与、インセンティブなどが含まれる場合は、詳細な説明を添える等、求職者が実際の収入を正確に把握できるようにしましょう。
各種手当を明記する
基本給以外の手当やインセンティブなどの特典がある場合、それらを詳細に明記することも重要です。
例えば、交通費全額支給、家賃補助、資格手当など、求職者にとって魅力的な条件をアピールポイントとして記載することで、より多くの応募を引き寄せることが期待できます。
ただしその際には、手当の支給条件や上限、計算方法なども明確に説明することで、後でトラブルにならないように注意が必要です。
法的な規定や義務の確認
企業は労働基準法や最低賃金法などの法的な規定を遵守することが義務付けられており、給与の金額や条件が法律に違反していると、後に大きなトラブルや罰則の対象となる可能性があります。
特に最低賃金を下回る給与の提示や、法定外の無給労働を強いる内容の求人広告は違法となるため、常に法的な最新情報をチェックし、正確な知識を持って求人広告を作成することが必要です。
給与は、最低賃金(当日の実働時間×当日の勤務地となる都道府県の最低賃金(時間単位)+各種法定割増賃金)を下回らないよう設定する必要があります。
想定される実働時間を確認すると共に、それを超える残業が発生した場合の割増賃金支払いに関する対応についても、事前に定めておきましょう。
- 最低賃金に関する記事
最後に
給与形態について、主な種類とその特徴と、求人広告に掲載する際の注意点をご紹介しました。
求人広告に掲載する段階で求職者に十分な情報提供を行うことで、
適切な応募を集めることができたり、採用後のアンマッチを防ぐことにも繋がります。
弊社でも様々な給与形態に合わせた採用活動のご支援を行っております。ぜひお気軽にお問合せください。
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