【2026年度】最低賃金の引き上げ目安と企業が対応すべきポイント 

【2026年】最低賃金の引きあげ目安と企業が対応すべきポイント

2026年度の最低賃金は、中央最低賃金審議会から引き上げ額の目安が7月28日に示され、今後は各都道府県で正式な最低賃金額が決定されます。
最低賃金の改定は、給与の見直しだけでなく、求人広告の修正や採用計画、人件費への影響など、企業の採用活動や経営にも大きく関わる重要な制度改正です。

「最低賃金はいつから適用されるのか」「自社の給与は問題ないのか」「求人票は修正する必要があるのか」と疑問を持つ採用担当者も多いのではないでしょうか。
対応が遅れると、法令違反や求人内容の修正漏れにつながる可能性もあるため、早めの確認が欠かせません。

この記事では、2026年度の最低賃金引き上げ目安や都道府県別の改定情報、企業が対応すべき実務、最低賃金の計算方法まで分かりやすく解説します。
最低賃金改定に備え、適切な給与設定や採用活動を進めるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。

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【2026年度】ランク別 最低賃金改定の引き上げ額目安

2026年度の最低賃金は、中央最低賃金審議会が示す「引き上げ額の目安」をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議が行われ、最終的な最低賃金額が決定されます。
企業はまずランク別の引き上げ額目安を確認し、自社が所在する都道府県の改定見込みを把握しておくことが重要です。

ここでは、2026年度の最低賃金改定におけるランク別の引き上げ額目安と、その内容について解説します。

ランク別の引き上げ額目安

ランク別の引き上げ額目安
ランク都道府県引き上げ額目安
A埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪54円
B北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡56円
C青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄56円

最低賃金の引き上げ額目安は、都道府県をA・B・Cの3つのランクに区分したうえで設定されています。
このランクは、各地域の経済状況や賃金水準などを考慮して区分されており、ランクごとに引き上げ額の目安が示されます。

なお、この引き上げ額は中央最低賃金審議会が示した「目安」であり、この時点で最低賃金額が確定するわけではありません。
2026年度は、Aランクが54円、Bランク・Cランクが56円の引き上げ額目安となりました。

この目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議が行われ、最終的な最低賃金額が決定されます。
企業は、自社が所在する都道府県がどのランクに属しているかを確認するとともに、正式な最低賃金額の公表後は、従業員の給与額や求人票の時給・月給が改定後の最低賃金を下回っていないか速やかに確認することが重要です。

都道府県別の最低賃金引き上げ額・改定後の最低賃金 

2026年度の最低賃金は、中央最低賃金審議会が示した引き上げ額目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議が行われ、正式に決定されます。
都道府県ごとに現在の最低賃金額や引き上げ額が異なるため、自社が事業を展開する地域の改定内容を必ず確認しましょう。

2026年度 都道府県別の最低賃金引き上げ額・改定後の最低賃金
都道府県引き上げ額改定後の最低賃金(目安)
北海道56円1,066円
青森県56円1,009円
岩手県56円1,008円
宮城県56円1,030円
秋田県56円1,007円
山形県56円1,011円
福島県56円1,011円
茨城県56円1,061円
栃木県56円1,060円
群馬県56円1,041円
埼玉県54円1,132円
千葉県54円1,130円
東京都54円1,217円
神奈川県54円1,216円
新潟県56円1,041円
富山県56円1,054円
石川県56円1,052円
福井県56円1,050円
山梨県56円1,044円
長野県56円1,054円
岐阜県56円1,057円
静岡県56円1,091円
愛知県54円1,131円
三重県56円1,079円
滋賀県56円1,073円
京都府56円1,114円
大阪府54円1,168円
兵庫県56円1,108円
奈良県56円1,042円
和歌山県56円1,036円
鳥取県56円1,014円
島根県56円1,019円
岡山県56円1,038円
広島県56円1,076円
山口県56円1,035円
徳島県56円1,036円
香川県56円1,026円
愛媛県56円1,012円
高知県56円1,008円
福岡県56円1,048円
佐賀県56円1,012円
長崎県56円1,009円
熊本県56円1,008円
大分県56円1,010円
宮崎県56円1,008円
鹿児島県56円1,009円
沖縄県56円1,008円

最低賃金は、パート・アルバイト・契約社員・正社員など雇用形態を問わず、原則としてすべての労働者に適用されます。
改定後の最低賃金額を下回る賃金設定は法律違反となるため、給与テーブルや時給設定だけでなく、求人票に記載している給与額についてもあわせて見直すことが重要です。

複数の都道府県に拠点を持つ企業は、勤務地ごとに適用される最低賃金が異なる場合があります。
拠点ごとの最低賃金額を確認し、改定漏れがないよう早めに準備を進めましょう。

2026年最低賃金の引き上げはいつ?

最低賃金は、中央最低賃金審議会が示す引き上げ額の目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議が行われ、その後、都道府県労働局長による決定・告示を経て発効します。
例年、多くの都道府県では10月頃から新しい最低賃金が適用されますが、正式な発効日は都道府県ごとに異なります。
ここでは、2026年度の最低賃金が適用されるまでの流れや、企業が確認しておきたいポイントについて解説します。

2025年度 最低賃金の変化は?

令和7年7月11日に厚生労働省の中央最低賃金審議会が行われ、2025年度(令和7年度)の最低賃金について全国加重平均で+63円を目安に引き上げるよう答申されました。各都道府県の改訂額を反映した最新の最低賃金額をお伝えしま […]

最低賃金の引き上げはいつから?

最低賃金の引き上げ時期
時期内容
2026年7月下旬中央最低賃金審議会が引き上げ額の目安を答申
2026年8~9月各都道府県で最低賃金額を審議・決定
2026年9~10月都道府県労働局長が告示
2026年10月頃改定後の最低賃金が順次適用開始

2026年度の最低賃金は、各都道府県で正式決定・告示された後、2026年10月頃から順次適用される予定です。
適用開始日は都道府県によって異なるため、自社が所在する地域の発効日を必ず確認しましょう。

最低賃金は、中央最低賃金審議会が示す引き上げ額の目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議されます。
その後、都道府県労働局長による決定・告示を経て、新しい最低賃金額が発効します。

例年、多くの都道府県では10月1日から下旬にかけて順次適用されるため、企業は発効日を踏まえて給与改定や求人票の修正準備を進めることが重要です。

複数の都道府県に事業所がある企業では、勤務地ごとに適用開始日が異なる場合があります。
改定漏れを防ぐためにも、各都道府県労働局が公表する最新情報を確認し、適用開始日までに必要な対応を済ませておきましょう。

 原則の発効時期

最低賃金の発効時期は都道府県によって異なりますが、例年は10月頃に適用が開始されます。
中央最低賃金審議会が引き上げ額の目安を示した後、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議が行われ、都道府県労働局長による決定・告示を経て発効する流れです。

発効日は都道府県ごとに設定されるため、同じ時期であっても適用開始日が異なる場合があります。
複数の都道府県に事業所を持つ企業は、それぞれの発効日を確認したうえで、給与や求人票の見直しを進めることが重要です。

最低賃金の改定時期が近づいたら、各都道府県労働局から公表される最新情報を定期的に確認し、改定後の最低賃金が適用される前に必要な対応を済ませておきましょう。

「目安」と「都道府県の改定額決定」は別

中央最低賃金審議会が公表する引き上げ額は、あくまでも「目安」です。
この時点では最低賃金額は確定しておらず、その後、各都道府県で審議を経て正式な最低賃金額が決定されます。

最低賃金が確定するまでの流れは、次のとおりです。

最低賃金改定の流れ

  • 中央最低賃金審議会が引き上げ額の目安を答申
  • 各都道府県の地方最低賃金審議会が目安をもとに審議
  • 都道府県労働局長が最低賃金額を決定・告示
  • 改定後の最低賃金が発効(例年10月頃から順次適用)

企業は、中央最低賃金審議会が公表する引き上げ額の目安を参考に準備を進めつつ、最終的には各都道府県労働局が公表する正式な最低賃金額を確認したうえで、給与や求人票の見直しを行うことが重要です。

給与締め日・支給日をまたぐ場合の注意点

最低賃金は、給与の締め日や支給日ではなく、「実際に労働した日」に適用される最低賃金額が基準となります。
そのため、給与締め日や支給日が最低賃金の発効日をまたぐ場合は、発効日以降に働いた時間分について、新しい最低賃金を適用しなければなりません。

例えば、給与の締め日が毎月末日で、最低賃金の発効日が10月1日の場合、10月1日以降の労働時間には改定後の最低賃金を適用する必要があります。
一方で、発効日前に働いた時間については、改定前の最低賃金が適用されます。

給与締め日・支給日をまたぐ場合のポイント

  • 最低賃金は「給与支給日」ではなく、「労働した日」を基準に適用される
  • 発効日以降の労働時間には、新しい最低賃金を適用する
  • 給与計算システムや勤怠管理システムの設定変更も忘れずに行う
  • 求人票や採用ページに掲載している給与額もあわせて見直す

給与計算を誤ると、意図せず最低賃金を下回ってしまう可能性があります。
最低賃金の発効日が公表されたら、給与計算方法や社内の運用を事前に確認し、適切に対応できるよう準備を進めておきましょう。

改定の公表情報の確認先

最低賃金の改定情報は、厚生労働省と各都道府県労働局が公表しています。
引き上げ額の目安と正式な最低賃金額では公表元やタイミングが異なるため、それぞれの情報を確認することが大切です。

最低賃金の引き上げ額の目安や制度の概要などは、厚生労働省の公式サイトで確認できます。
一方、都道府県ごとの正式な最低賃金額や発効日、最低賃金改定に関する告示は、各都道府県労働局の公式サイトで公表されます。

引き上げ額の目安が発表された段階で、給与改定や採用計画の準備を進めることが可能です。
その後、各都道府県労働局が正式な最低賃金額を公表したら、自社が所在する地域の情報を確認し、給与や求人票の内容を速やかに見直しましょう。

企業は、引き上げ額の目安が公表された段階で給与改定や採用計画の準備を進めつつ、正式決定後は各都道府県労働局が公表する最低賃金額や発効日を確認し、給与や求人票の金額を速やかに見直しましょう。

 最低賃金引き上げが企業に与える影響

最低賃金の引き上げは、従業員の給与額を見直すだけではなく、企業経営や採用活動にもさまざまな影響を与えます。
特に、人件費や採用コストの増加、既存社員との賃金バランスの調整などは、多くの企業が直面する課題です。

最低賃金の引き上げが企業に与える影響

  • 人件費の増
    最低賃金の引き上げに伴い、時給や月給の見直しが必要となり、人件費全体が増加する可能性があります。
  • 採用コストの増加
    応募者を確保するために求人票の給与額を引き上げる必要が生じ、採用コストが増えるケースがあります。
  • 既存社員との賃金逆転
    新たに採用する従業員の給与が既存社員に近づくことで、賃金バランスが崩れる可能性があります。
  • 離職リスク
    既存社員が賃金への不満を感じると、モチベーションの低下や離職につながるおそれがあります。
  • 価格改定・業務効率化の必要性
    人件費の増加を吸収するため、商品・サービス価格の見直しや、業務改善・DXによる生産性向上を検討する企業も増えています。

最低賃金引き上げで企業が対応すべき5つのポイント

最低賃金の改定では、給与額を引き上げるだけで対応が完了するわけではありません。
給与設定や求人広告の内容、既存社員との賃金バランス、採用計画など、企業が確認・見直すべき項目は多岐にわたります。
最低賃金の改定後もスムーズに採用活動や労務管理を進めるために、企業が対応しておきたい5つのポイントを解説します。

【最低賃金引き上げ】企業側の影響は?見直すべき3つのポイント

2025年10月から最低賃金が引き上げられました。企業側の影響や中小企業の課題を解説し、求人条件・採用戦略など見直すべき3つのポイントを紹介します。

現在の給与が最低賃金を下回っていないか確認する

最低賃金が改定されたら、まずは現在支給している給与が改定後の最低賃金を下回っていないか確認しましょう。
最低賃金を下回る賃金を支払うことは法律違反となるため、パート・アルバイトだけでなく、正社員や契約社員などを含めて確認することが大切です。

確認する際は、時給制の従業員だけでなく、月給制や日給制の従業員についても時間額に換算して最低賃金を満たしているかを確認する必要があります。
また、最低賃金の対象となる賃金と対象外となる手当があるため、基本給や諸手当の内訳もあわせて確認しましょう。

複数の事業所を運営している企業は、勤務地ごとに適用される最低賃金が異なる場合があります。
各都道府県の最低賃金額を確認したうえで、給与設定に誤りがないか早めにチェックすることが重要です。

求人広告の給与条件を見直す

最低賃金が改定されたら、求人広告や採用ページに掲載している給与条件もあわせて見直しましょう。
改定後の最低賃金を下回る給与を掲載したまま募集を続けると、応募者とのトラブルや求人内容の修正が必要になる可能性があります。

特に、勤務地ごとに最低賃金が異なる企業は、募集エリアごとの給与額を確認することが重要です。
また、試用期間や研修期間を設けている場合は、その期間中の給与も改定後の最低賃金を下回っていないか確認しましょう。

求人広告で確認したいポイント

  • 勤務地ごとの給与額が、改定後の最低賃金以上になっているか
  • 試用期間中の給与が最低賃金を下回っていないか
  • 研修期間中の給与設定が適切か
  • 時給・日給・月給の表記に誤りがないか

最低賃金の影響を受けやすい募集の例

  • 警備員の研修期間中給与(研修日数分を日給で設定しているケース)
  • コンビニや小売店の販売スタッフ(時給が最低賃金に近いケースが多い)
  • 介護・福祉施設の介護補助・生活支援員(直接介護を伴わない補助業務を担当する職種)

求人広告は、最低賃金の発効日までに更新を完了させることが大切です。
応募受付中の求人だけでなく、採用サイトや求人媒体に掲載しているすべての求人情報を確認し、最新の最低賃金に対応した給与条件へ修正しましょう。

採用コストは一人当たりいくら?平均相場と内訳をわかりやすく解説

一人当たり採用コストの内訳や算出方法から平均相場、コストを削減しながら採用品質を維持する5つの施策までを解説します。採用費をデータで可視化し、無駄のない最適な採用戦略を実現。

既存社員との給与バランスを確認する

最低賃金の引き上げでは、最低賃金を下回る従業員の給与を引き上げるだけでなく、既存社員との給与バランスも確認することが重要です。
最低賃金に近い給与で働いていた従業員の賃金を引き上げた結果、経験やスキルのある社員との給与差が小さくなったり、逆転したりするケースがあります。

給与バランスが崩れると、既存社員のモチベーション低下や不公平感につながるおそれがあります。
そのため、最低賃金の改定にあわせて、基本給や昇給幅、各種手当を含めた給与体系全体を見直すことも検討しましょう。

特に、パート・アルバイトから正社員まで幅広い雇用形態の従業員が在籍する企業では、職務内容や責任の違いに応じた適切な賃金体系を維持することが大切です。
給与改定の際は、従業員に見直しの理由や評価基準を丁寧に説明することで、納得感のある運用につながります。

人件費増加を踏まえて採用計画を見直す

最低賃金の引き上げによって人件費が増加する場合は、採用計画についても見直しを検討しましょう。
採用人数や募集職種、採用時期などを改めて整理することで、人件費の増加を踏まえた無理のない採用活動につながります。

また、給与水準だけで応募者を集めることが難しい場合は、福利厚生や教育制度、柔軟な働き方など、自社の魅力を積極的に発信することも重要です。
求人広告の内容を見直し、求職者に伝わりやすい訴求へ改善することで、採用効果の向上が期待できます。

さらに、採用手法を見直すことも有効です。
求人サイトだけでなく、IndeedやIndeed PLUSなど複数の採用チャネルを活用することで、より多くの求職者へアプローチできる可能性があります。

人件費の増加を踏まえた採用計画を立てることで、採用コストを適切に管理しながら、自社に必要な人材を確保しやすくなるでしょう。

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採用競争力を高める求人内容に見直す

最低賃金の引き上げにより、給与だけでは他社との差別化が難しくなるケースがあります。
そのため、求人広告では給与条件だけでなく、自社で働く魅力が伝わる内容へ見直すことが重要です。

例えば、仕事内容を具体的に記載したり、福利厚生や教育制度、キャリアアップ支援、働きやすい職場環境などをアピールしたりすることで、応募につながりやすくなります。
また、写真や社員インタビューなどを活用し、職場の雰囲気を伝えることも応募者の安心感につながります。

求人内容を見直すポイント

  • 仕事内容や1日の業務の流れを具体的に記載する
  • 福利厚生や各種手当、教育制度を分かりやすく伝える
  • 働きやすさや職場の雰囲気が伝わる情報を掲載する
  • 求める人物像や入社後のキャリアイメージを明確にする

最低賃金の改定は、求人内容を見直す良い機会でもあります。
応募者に選ばれる求人を作成するためには、給与だけでなく、企業の魅力や働くメリットを分かりやすく伝えることが大切です。

最低賃金の計算方法

最低賃金を正しく確認するためには、給与を時給換算し、適用される最低賃金額と比較する必要があります。
特に、月給制や日給制の従業員がいる企業では、計算方法や最低賃金の対象となる賃金を正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、最低賃金の計算方法や各種手当の扱い、確認時の注意点について解説します。

 月給制・日給制を時給換算する方法

最低賃金は時給額で定められているため、月給制や日給制の従業員については、時間額に換算して最低賃金を満たしているか確認する必要があります。
時給換算した結果が最低賃金額を下回る場合は、給与の見直しが必要です。
月給制の従業員は、最低賃金の対象となる賃金を1か月の所定労働時間で割り、時給換算して確認します。

月給制の計算式

月給(最低賃金の対象となる賃金)÷ 1か月の所定労働時間 = 時間額

例えば、最低賃金の対象となる月給が200,000円、1か月の所定労働時間が160時間の場合、時給換算額は1,250円となります。

日給制の従業員は、最低賃金の対象となる日給額を1日の所定労働時間で割り、時間額を算出します。

日給制の計算式

日給(最低賃金の対象となる賃金)÷ 1日の所定労働時間 = 時間額

例えば、日給10,000円、1日の所定労働時間が8時間の場合、時給換算額は1,250円です。

なお、最低賃金を確認する際は、通勤手当や時間外手当、賞与など最低賃金の対象外となる賃金は含めません。
基本給や対象となる手当のみで計算するこ例えば、日給10,000円、1日の所定労働時間が8時間の場合、時給換算額は1,250円です。

なお、最低賃金を確認する際は、通勤手当や時間外手当、賞与など最低賃金の対象外となる賃金は含めません。
基本給や対象となる手当のみで計算することが重要です。

固定残業代がある場合のチェック方法

固定残業代を支給している場合でも、その金額を含めて最低賃金を満たしているか判断することはできません。
最低賃金を比較する際は、固定残業代を除いた賃金をもとに時給換算する必要があります。

固定残業代は、あらかじめ一定時間分の時間外労働などに対して支払われる割増賃金です。
最低賃金の対象となるのは、通常の労働時間に対して支払われる賃金であるため、時間外労働や休日労働、深夜労働に対する割増賃金にあたる固定残業代は比較対象に含まれません。

固定残業代がある場合の確認ポイント

  • 固定残業代を除いた基本給や各種手当で最低賃金を満たしているか確認する
  • 固定残業時間を超えた時間外労働分は、別途割増賃金を支払う
  • 固定残業代の内訳や対象時間数を雇用契約書や求人票に明記する

固定残業代を導入している企業は、「基本給だけで最低賃金を満たしているか」という視点で給与を確認することが重要です。
最低賃金改定のタイミングでは、給与体系や固定残業代の設定についてもあわせて見直しておきましょう。

「研修期間」「見習い期間」の時給設定に注意

研修期間や見習い期間を設けている場合でも、原則として最低賃金以上の給与を支払う必要があります。
「研修中だから」「見習い期間だから」という理由だけで、最低賃金を下回る時給を設定することはできません。

特に、求人広告では「研修期間中は時給○○円」と記載しているケースが多く見られます。
最低賃金の改定後は、その金額が新しい最低賃金を下回っていないか必ず確認しましょう。

確認しておきたいポイント

  • 研修期間・見習い期間中の時給が最低賃金以上になっているか
  • 求人広告や採用ページの給与表記を最新の内容へ更新しているか
  • 雇用契約書に記載している給与額と求人票の内容に相違がないか

警備業の法定研修や小売業・飲食業など、研修期間中の給与を最低賃金に近い水準で設定している職種は特に注意が必要です。
最低賃金の改定時には、研修期間を含めたすべての給与条件を見直し、法令に適合していることを確認しましょう。

最低賃金チェックの簡易手順

最低賃金を確認する際は、給与額だけを見るのではなく、給与体系や適用される最低賃金額まで含めて確認することが大切です。
最低賃金改定のタイミングでは、次の手順でチェックすると漏れを防ぎやすくなります。

勤務地の最低賃金額を確認する

事業所や勤務地に適用される最新の最低賃金額を確認します。

STEP
1

最低賃金の対象となる賃金を整理する

基本給や対象となる手当を確認し、通勤手当や住宅手当、固定残業代など対象外となる賃金を除きます。

STEP
2

時給換算して最低賃金と比較する

月給制・日給制の場合は時間額に換算し、最低賃金以上となっているか確認します。

STEP
3

求人広告や採用ページの給与額を見直す

募集している求人の給与額や、研修期間・試用期間中の給与もあわせて確認します。

STEP
4

給与体系や社内運用を必要に応じて見直す

既存社員との給与バランスや給与計算システムの設定なども確認し、最低賃金改定に対応できるよう準備を進めましょう。

STEP
5

この5つの手順を押さえておくことで、最低賃金の改定に伴う対応漏れを防ぎやすくなります。
定期的に給与や求人情報を確認し、法令に適合した運用を心がけましょう。

企業がおさえておくべき最低賃金の基礎知識

最低賃金は、すべての企業が遵守しなければならない制度ですが、「どの従業員が対象になるのか」「どの手当を含めて計算するのか」など、正しく理解できていないケースも少なくありません。
制度への理解が不十分なまま給与を設定すると、意図せず最低賃金法に違反してしまう可能性があります。
ここでは、企業が押さえておきたい最低賃金の種類や適用対象、最低賃金の計算に含める賃金・含めない賃金について解説します。

最低賃金の種類

最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
企業は、自社に適用される最低賃金を正しく理解し、法令に基づいた給与設定を行うことが重要です。

地域別最低賃金は、都道府県ごとに定められており、その地域で働くすべての労働者に適用されます。
正社員やパート・アルバイト、契約社員など雇用形態を問わず、原則としてすべての労働者が対象です。

一方、特定(産業別)最低賃金は、特定の産業を対象に地域別最低賃金より高い金額が設定されている制度です。
対象となる業種や職種で働く労働者に適用され、地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、高いほうの最低賃金額を支払う必要があります。

最低賃金の種類
種類対象ポイント
地域別最低賃金都道府県内で働くすべての労働者都道府県ごとに金額が異なり、原則すべての企業・労働者が対象
特定(産業別)最低賃金特定の産業で働く労働者地域別最低賃金より高い金額が定められている場合は、高い方が適用される

自社に特定(産業別)最低賃金が適用されるかどうかは、業種や事業内容によって異なります。
給与を見直す際は、地域別最低賃金だけでなく、特定(産業別)最低賃金の対象になっていないかも確認しておきましょう。

適用対象

最低賃金は、一部の例外を除き、雇用形態や勤務形態を問わず、すべての労働者に適用されます。
正社員だけでなく、パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員なども対象となるため、企業は雇用区分にかかわらず給与を確認する必要があります。

最低賃金の主な適用対象
対象最低賃金の適用
正社員
パート・アルバイト
契約社員・嘱託社員
派遣社員○(派遣先の勤務地に適用される最低賃金)
試用期間・研修期間中の従業員

一方で、最低賃金法では、精神または身体の障害により著しく労働能力が低い人など、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限り、最低賃金の減額特例が認められるケースがあります。
ただし、減額特例の対象となるケースは限定的であり、ほとんどの企業では、雇用形態や経験年数に関係なく最低賃金以上の賃金を支払う必要があります。

 最低賃金に「含める賃金」「含めない賃金」

最低賃金を確認する際は、支給しているすべての賃金を計算に含めるわけではありません。
最低賃金の対象となる賃金と対象外となる賃金が定められているため、給与の内訳を正しく把握することが重要です。

原則として、毎月支払われる基本給や職務手当、役職手当などは最低賃金の対象となります。
一方、通勤手当や家族手当、住宅手当、時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金などは、最低賃金を確認する際の賃金には含まれません。

最低賃金の対象となる賃金・対象外となる賃金
手当の種類最低賃金の対象備考
役職手当毎月定額で支給される場合は対象
職務手当職務に対して支給される手当は対象
資格手当毎月定額で支給される場合は対象
皆勤手当×最低賃金の対象外
通勤手当×最低賃金の対象外
家族手当×最低賃金の対象外
住宅手当×最低賃金の対象外
時間外・休日・深夜労働の割増賃金×最低賃金の対象外
固定残業代×時間外労働に対する割増賃金部分は対象外

最低賃金を下回っていないか確認する際は、「支給総額」ではなく、最低賃金の対象となる賃金だけで計算することがポイントです。
給与体系が複雑な場合は、手当ごとの扱いを確認したうえで、適切に時給換算を行いましょう。

政府目標の「全国平均1,500円」達成見通し時期は?

政府は、全国加重平均の最低賃金を2020年代に1,500円まで引き上げることを目標に掲げています。
最低賃金は毎年引き上げが続いており、2026年度も大幅な引き上げ目安が示されたことから、全国平均1,500円に向けた動きは今後も継続すると考えられます。

ただし、最低賃金の改定額は毎年の経済情勢や物価、賃金動向などを踏まえて決定されるため、現時点で「いつ達成される」と断定することはできません。
また、最低賃金は都道府県ごとに金額が異なるため、全国平均が1,500円に達した場合でも、地域によって最低賃金額には差が生じます。

企業にとっては、全国平均1,500円という目標を見据え、中長期的な人件費の増加を想定しておくことが重要です。
給与体系や採用計画の見直しに加え、生産性向上や業務効率化なども含めた対策を早めに検討しておくことで、今後の最低賃金引き上げにも対応しやすくなります。

最低賃金改定に伴う採用・求人の見直しはR4にご相談ください

最低賃金の改定は、給与の見直しだけでなく、求人広告や採用計画、採用手法を見直す良い機会です。
しかし、「給与をどのように設定すればよいか分からない」「求人票をどう修正すれば応募が集まるのか悩んでいる」といった課題を抱える企業も少なくありません。

R4では、IndeedやIndeed PLUSをはじめとした求人広告の運用支援をはじめ、採用サイト制作、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、採用代行(RPO)まで、企業の採用課題に合わせた幅広いサービスを提供しています。
求人広告の掲載だけでなく、採用ブランディングや社員研修・組織づくり、生成AIを活用した業務改善支援など、採用から定着まで一貫したサポートが可能です。

最低賃金改定にあわせて求人内容を見直したい企業や、採用コストを抑えながら応募数を増やしたい企業は、ぜひR4へご相談ください。 貴社の採用課題や採用目標に合わせて、最適な採用手法をご提案いたします。

まとめ

2026年度の最低賃金は、中央最低賃金審議会から大幅な引き上げ目安が示されました。
今後、各都道府県で正式な最低賃金額が決定・告示され、例年どおり10月頃から順次適用される見込みです。

企業は、最低賃金の改定にあわせて給与が基準額を下回っていないか確認するだけでなく、求人広告の給与条件や既存社員との賃金バランス、採用計画なども見直すことが重要です。
特に、勤務地ごとの最低賃金や試用期間・研修期間中の給与設定、各種手当の扱いなどは、見落としやすいポイントのため注意しましょう。

最低賃金の引き上げは人件費の増加につながる一方で、採用活動や給与体系を見直す機会でもあります。
給与だけでなく、求人内容や採用手法、働きやすい環境づくりまで含めて改善を進めることで、採用競争力の向上や人材の定着につながります。

R4では、IndeedやIndeed PLUSを活用した求人広告運用をはじめ、採用サイト制作、採用代行(RPO)、採用ブランディングなど、企業の採用課題に合わせた幅広い支援を行っています。
最低賃金改定への対応や採用活動の見直しをご検討中の企業は、ぜひお気軽にご相談ください。

R4は採用課題に対する支援をしています

母集団形成、採用コストの適正化、採用代行など、
採用活動の「困った」をご相談ください。